プロローグ




ふわふわと 浮かんでいる
ふらふらと 漂っている

一瞬にも永遠にも感じられる空間で、私はふと意識が浮上した。


−−どこだ、ここ?


見渡してみようにも目がない。手も足もない。ただ意識だけが浮遊している。
なんだろう、どうすればいいんだろう。
浮かんでは消えるその問に、答えが返った。


《おはよう、よく眠れたかの?》

−−え?おはようございます…?

《そう怯えなさんな。ここは輪廻の輪。そなたは死んだことはわかるかのう?》

−−死んだ…


そうだ、私は死んだんだ。
覚えているような、覚えていないような。ただ、理解はしている。


−−わかります。

《よかろう。さて本題に移るがそなたは今、死んだ時同様17歳の精神体としてここにおる。生前の様子を鑑みたところ、とても得点が高い。そこで輪廻転生の際に一つだけ希望を聞いてやりたいと思うての。どうじゃろか?》

−−希望…


何だろう、何かあるだろうか。
強いて言うなら生き返りたい…
でも生きていた記憶が私にはもう、無い。
さてどうしようか、ていうか17歳とか若くして死んでるな*。
どうせろくな青春も経験しなかったんだろうな*。
あ、そうだ。

−−イケメンと、青春がしたい。

《………は?》

−−希望です。イケメンと青春がしたいです。


絶対無理だろうけどとりあえず伝えてみる。ていうか私からしても冗談に過ぎない。何だよ、イケメン(笑)と青春(笑)て(笑)

笑うわ。

さて、声の主もポカンとしてるし冗談でーすって伝えて…

《よかろう。お主の希望、確かに叶えようぞ。》

−−はい?

《イケメンと青春じゃったな…おお、ちょうどいま魂が抜けた半死体の器が出来おったわい。そこにお主を入れてやろう。》

−−は…い?待ってちょっと、え?いや、死体に突っ込まないでほしいんですけど。しかもあの、さっきのはほんの出来心でじょうだ、

《ほれ、時間もないからもうゆくが良い。》

−−え、待って待って待ってーーっ!!???



こうして、間抜けな私は冗談と伝えられず死にかけの身体に輪廻転生する事になったのだった。






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