現在、私は教団の裏手に広がる森にいます。理由は安定してイノセンスを発動できるようになったし、そろそろ神田に見てもらっておこうかなーって思ったからです。
『ちょ…ちょっと待った…』
体力は相変わらずないけどね!
「もうへばったのか?」
それにしても口を開けば嫌みなんて姑か。私が弱いことなんて痛いくらいわかってるっつーの。
『私が弱いのはともかくとして、【この体】にはブランクがあるんだから…30秒…待って…』
まぁ事実なんで言い返せませんけどね。言い訳はしますけど!
ちなみに神田の居場所はコムイさんに聞きました。
教団内施設の場所すら危うい私に、神田1人を見つけられるわけないじゃん。今日までこんなところがあるのも知らなかったもん。
『この体力オバケめ』
「あ?」
『なんでもないでーす』
発動できるようになった血染ノ乙女は、私が扱うには重いし大きすぎる。攻撃しようとすれば、イノセンスの重さに私が振り回される始末。
ラビはサイズ変えても重さとか変わらんって言ってたけど、私のは違うのかな…このままじゃ武器に使われてる感マックスすぎて、怖いんだけど。まだまだ誰かを守ったり、誰かと一緒に戦場で戦うのは難しそうってこと。同調値もあげていかないといけないし、早く強くならなきゃ。
「無駄口叩く余裕があるなら再開するぞ」
武器が大きいから、どうしても攻撃体勢に入ったときとその直後に隙が生まれるのもなんとかしたい。もう筋トレするしかないんじゃない?
『はいよっと』
ここ最近、イノセンスを下に構えて待つと負担が軽いってわかって、且つ半身でいると初動が早くなるってことがわかった。
ラビと神田を見てパクったのさ!ラビは武器の形が比較的近いし、神田は動きに無駄がないからね!2人との手合わせを多目にしたいな。神田は付き合ってくれないだろうけど。
『お願いします』
「いたいた。アリス!悪いけど今から室長のとこ来てくれ!」
今日も神田から学習してやろうと意気込んだとき、教団の窓から班長に呼ばれて私達は動きを止めた。
『はぁーい』
…なんだろう。コムイさんからの呼び出し?私なんかやったっけ?
コーヒーとコーラ入れ替えたのはもう班長に怒られたし、うっかりコムリンのパーツ砕いたときは教団の人から褒められたし、コムイさんの判子をラブリーにしたのも班長に怒られたし、ラビのパンツに落書きしたのは…あれ?これまだバレてない…?
「任務じゃねぇの?」
『マジ?』
いつの間にか半年くらい経っちゃってたけど、私ここでアホみたいなことしかしてないな。こんなんで戦場に出て大丈夫か?
まだイノセンス発動できるだけだよ?さっきもいったけど無駄にイノセンスに振り回されてるんだよ?現在進行形でいろんな人の技術パクってる途中だからまだまだ雑魚だよ?まともな戦力にすらなれてないんだよ?
…なんか自分で言ってて虚しくなってきた。
『え、私大丈夫かな?』
「知らねェよ」
『冷たい!』
神田に言わせれば雑魚で体力なくてバカなド素人らしいので、結構本気で心配しかないんだけど。
「あれだけ任務にでてたお前が半年も篭ればおかしいだろ」
『そっか』
神田の言うあれだけがどれくらいの量を示すのかはよくわかんないけど、少なくとも半年も引きこもるなんてありえなかったんだろう。神田もほとんど教団にいないし、アリスもそんな感じだったのかな…
私もいつまでも雑魚でいられないか。もしかしたら戦場でしか学べないものもあるかもしれない。女は度胸。戦場に出ることは、なにも悪いことばっかりじゃない。
『ん、行ってくる』
うん。アリスの為にも頑張らなきゃ。
生きて帰ってきて、アリスにちゃんと返してあげるんだ。
「死ぬなよ」
『え?』
気合いを入れて踏み出した時、まったく予想しなかった事態が起きた。
神田らしからぬ言葉が聞こえた気がしましたけど…神田、今なに言った?私の聞き間違い?空耳?妄想?幻聴?
『ごめん。もう1回言って』
「言わねぇよ」
『えー』
言わないってことは、言ったんだ。神田が人を心配するような言葉を言うなんて思わなかった。
だって私が来た日に言った事だって、聞く人によっては暴言だったからね。私はあんなの全然気にしてないけど。
「さっさと行け、ザコ」
『やっぱあの時聞こえてたんじゃん!神田なんて坊主になっちまえっ』
「んだとゴラ!」
ひゃはー。怖い怖い!
怒った神田はほっといて、早くコムイさんの所行こ。たぶんラビがなんとかしてくれるでしょう…今日いるよね?
ラビがいつ帰ってくるのかあんまりよく覚えてないからちょっと不安。急いでコムイさんに聞かないと。
教団を走って、まだたまに道を間違えることもあるけど、なんとか科学班まで最短で向かっていく。
『コムイさーん。ラビって今日いますかぁ?』
開口一番でこれを聞くって言うのもどうなんだろう。でも今1番気になってることだから聞くよね。
「ラビ?明日帰る予定だよ。早ければ今日の夜って所かな」
コムイさんから聞いたラビの予定は私が思ってたものより少し遅かった。
『そうですか…』
ヤバいな。このままだと事件の起きる香りがする…出る前に1回神田に会わなきゃ。
「ラビに用事?」
『いえ、なんでもないです。それより私になんのご用ですか?』
「そろそろアリスちゃんにも任務に出てもらおうかなと思ってね」
『やっぱり?』
超笑顔ですねコムイさん。素敵ですよ。
「今回は探索部隊と2人でイノセンスの調査に行ってもらいたいんだ。アクマはいないと思うから、心配しなくても大丈夫だよ」
思うってことは、出る可能性はあるってことなんだよね。やだなぁ…
「イノセンスは発動できるようになったんでしょ?」
『はい、最近は調子よく発動できてます』
「なら心配はいらないね。これから任務は当然増えていく。もちろん、アクマの破壊がメインになってね」
ですよね。
アクマを壊せるエクソシストがアクマを壊さないとか、意味わかんないもんね。
「いきなりアクマと対峙するのは不安だろうし、徐々に慣れてもらうためにも今日は行ってもらうよ」
『わかりました』
こんななにもできない私の為に、私でも失敗しないだろう任務をコムイさんは与えてくれたんだ。ゴミみたいな雑魚である私でも任務に出ないといけない時がきたんだ。
『場所はどこですか?』
「ロシアの山奥だよ」
なにそれ寒そっ!
「このあたりにイノセンスがありそうなんだ」
『曖昧ですね』
「ここだけ寒暖の差が激しいみたいなんだけど、このあたりは本来気温が低すぎるから集落もなく人はほとんどいない。もしかしたらイノセンスが影響してるかもしれない」
『そうなると、アクマが出るの可能性もある』
「正解」
だから私か。
イノセンスの回収(多分)と言えど確証のない場所にあまり人員は裂きたくない。かといって探索部隊だけでは危険と判断したのか…真相はコムイさんのみぞ知る。
それなら栄えある最弱の汚名を持つ私にもできるかも。
「行ってくれるね」
そんな言い方して…初めから断らせないくせに。
私も断らないけどね。
『もちろんです。今からでいいんですか?』
「探索部隊が来たら一緒に行ってもらおうかな」
『わかりました』
とりあえず死なないようにしなくちゃ。
『あ、神田に会わなきゃいけないんで地下水路でいいですか?』
とりあえず死なないようにと言えば、事が起きる前に防がなきゃ!
「うん。いいよ」
『ありがとうございます』
コムイさんに言うが早いか、私はダッシュでさっきまでいた森に走った。
神田のことだからまだそこにいると思ったんだよね。
私に付き合ってたせいで神田はたいした特訓にならなかっただろうから、私がいなくなった後が神田の時間ってわけ。私がいなくなった方が自分の特訓できるしね。
そう思ったんだけど、神田は同じ場所にいなかったった。
『神田!…いないのー?』
おかしいな。神田のことだから絶対にまだここにいると思ったんだけど、どこにいるんだろう?
どっかこの辺にはいるかな。
『神田ぁー!』
「うるせえな」
『ぅをあ!?』
神田は微妙に場所を変えて素振りをしていた。
『いるなら返事してよ!びっくりした!』
近くにいて返事しないなんて最低だよっ無駄に叫んだじゃんか!私が!
「お前うるせぇんだよ」
うるさい自覚はある。
『私任務だった!』
でも私はやめるつもりがない!だって、私がテンション下げたらみんなテンション低い人になって、全体的に暗くなるじゃん。ラビもそれを懸念していつもテンション高めなんじゃない?
それは関係ないか。
「んなことわかってただろ」
『ハゲろとか嘘だからね!』
そう言った私に、神田は「知ってる」とだけ言うと背を向けて素振りを再開した。
『じゃあ行ってきますっ』
なんだかそれが嬉しくて、私は軽い足取りで地下水路へ向かった。
『ちょ…ちょっと待った…』
体力は相変わらずないけどね!
「もうへばったのか?」
それにしても口を開けば嫌みなんて姑か。私が弱いことなんて痛いくらいわかってるっつーの。
『私が弱いのはともかくとして、【この体】にはブランクがあるんだから…30秒…待って…』
まぁ事実なんで言い返せませんけどね。言い訳はしますけど!
ちなみに神田の居場所はコムイさんに聞きました。
教団内施設の場所すら危うい私に、神田1人を見つけられるわけないじゃん。今日までこんなところがあるのも知らなかったもん。
『この体力オバケめ』
「あ?」
『なんでもないでーす』
発動できるようになった血染ノ乙女は、私が扱うには重いし大きすぎる。攻撃しようとすれば、イノセンスの重さに私が振り回される始末。
ラビはサイズ変えても重さとか変わらんって言ってたけど、私のは違うのかな…このままじゃ武器に使われてる感マックスすぎて、怖いんだけど。まだまだ誰かを守ったり、誰かと一緒に戦場で戦うのは難しそうってこと。同調値もあげていかないといけないし、早く強くならなきゃ。
「無駄口叩く余裕があるなら再開するぞ」
武器が大きいから、どうしても攻撃体勢に入ったときとその直後に隙が生まれるのもなんとかしたい。もう筋トレするしかないんじゃない?
『はいよっと』
ここ最近、イノセンスを下に構えて待つと負担が軽いってわかって、且つ半身でいると初動が早くなるってことがわかった。
ラビと神田を見てパクったのさ!ラビは武器の形が比較的近いし、神田は動きに無駄がないからね!2人との手合わせを多目にしたいな。神田は付き合ってくれないだろうけど。
『お願いします』
「いたいた。アリス!悪いけど今から室長のとこ来てくれ!」
今日も神田から学習してやろうと意気込んだとき、教団の窓から班長に呼ばれて私達は動きを止めた。
『はぁーい』
…なんだろう。コムイさんからの呼び出し?私なんかやったっけ?
コーヒーとコーラ入れ替えたのはもう班長に怒られたし、うっかりコムリンのパーツ砕いたときは教団の人から褒められたし、コムイさんの判子をラブリーにしたのも班長に怒られたし、ラビのパンツに落書きしたのは…あれ?これまだバレてない…?
「任務じゃねぇの?」
『マジ?』
いつの間にか半年くらい経っちゃってたけど、私ここでアホみたいなことしかしてないな。こんなんで戦場に出て大丈夫か?
まだイノセンス発動できるだけだよ?さっきもいったけど無駄にイノセンスに振り回されてるんだよ?現在進行形でいろんな人の技術パクってる途中だからまだまだ雑魚だよ?まともな戦力にすらなれてないんだよ?
…なんか自分で言ってて虚しくなってきた。
『え、私大丈夫かな?』
「知らねェよ」
『冷たい!』
神田に言わせれば雑魚で体力なくてバカなド素人らしいので、結構本気で心配しかないんだけど。
「あれだけ任務にでてたお前が半年も篭ればおかしいだろ」
『そっか』
神田の言うあれだけがどれくらいの量を示すのかはよくわかんないけど、少なくとも半年も引きこもるなんてありえなかったんだろう。神田もほとんど教団にいないし、アリスもそんな感じだったのかな…
私もいつまでも雑魚でいられないか。もしかしたら戦場でしか学べないものもあるかもしれない。女は度胸。戦場に出ることは、なにも悪いことばっかりじゃない。
『ん、行ってくる』
うん。アリスの為にも頑張らなきゃ。
生きて帰ってきて、アリスにちゃんと返してあげるんだ。
「死ぬなよ」
『え?』
気合いを入れて踏み出した時、まったく予想しなかった事態が起きた。
神田らしからぬ言葉が聞こえた気がしましたけど…神田、今なに言った?私の聞き間違い?空耳?妄想?幻聴?
『ごめん。もう1回言って』
「言わねぇよ」
『えー』
言わないってことは、言ったんだ。神田が人を心配するような言葉を言うなんて思わなかった。
だって私が来た日に言った事だって、聞く人によっては暴言だったからね。私はあんなの全然気にしてないけど。
「さっさと行け、ザコ」
『やっぱあの時聞こえてたんじゃん!神田なんて坊主になっちまえっ』
「んだとゴラ!」
ひゃはー。怖い怖い!
怒った神田はほっといて、早くコムイさんの所行こ。たぶんラビがなんとかしてくれるでしょう…今日いるよね?
ラビがいつ帰ってくるのかあんまりよく覚えてないからちょっと不安。急いでコムイさんに聞かないと。
教団を走って、まだたまに道を間違えることもあるけど、なんとか科学班まで最短で向かっていく。
『コムイさーん。ラビって今日いますかぁ?』
開口一番でこれを聞くって言うのもどうなんだろう。でも今1番気になってることだから聞くよね。
「ラビ?明日帰る予定だよ。早ければ今日の夜って所かな」
コムイさんから聞いたラビの予定は私が思ってたものより少し遅かった。
『そうですか…』
ヤバいな。このままだと事件の起きる香りがする…出る前に1回神田に会わなきゃ。
「ラビに用事?」
『いえ、なんでもないです。それより私になんのご用ですか?』
「そろそろアリスちゃんにも任務に出てもらおうかなと思ってね」
『やっぱり?』
超笑顔ですねコムイさん。素敵ですよ。
「今回は探索部隊と2人でイノセンスの調査に行ってもらいたいんだ。アクマはいないと思うから、心配しなくても大丈夫だよ」
思うってことは、出る可能性はあるってことなんだよね。やだなぁ…
「イノセンスは発動できるようになったんでしょ?」
『はい、最近は調子よく発動できてます』
「なら心配はいらないね。これから任務は当然増えていく。もちろん、アクマの破壊がメインになってね」
ですよね。
アクマを壊せるエクソシストがアクマを壊さないとか、意味わかんないもんね。
「いきなりアクマと対峙するのは不安だろうし、徐々に慣れてもらうためにも今日は行ってもらうよ」
『わかりました』
こんななにもできない私の為に、私でも失敗しないだろう任務をコムイさんは与えてくれたんだ。ゴミみたいな雑魚である私でも任務に出ないといけない時がきたんだ。
『場所はどこですか?』
「ロシアの山奥だよ」
なにそれ寒そっ!
「このあたりにイノセンスがありそうなんだ」
『曖昧ですね』
「ここだけ寒暖の差が激しいみたいなんだけど、このあたりは本来気温が低すぎるから集落もなく人はほとんどいない。もしかしたらイノセンスが影響してるかもしれない」
『そうなると、アクマが出るの可能性もある』
「正解」
だから私か。
イノセンスの回収(多分)と言えど確証のない場所にあまり人員は裂きたくない。かといって探索部隊だけでは危険と判断したのか…真相はコムイさんのみぞ知る。
それなら栄えある最弱の汚名を持つ私にもできるかも。
「行ってくれるね」
そんな言い方して…初めから断らせないくせに。
私も断らないけどね。
『もちろんです。今からでいいんですか?』
「探索部隊が来たら一緒に行ってもらおうかな」
『わかりました』
とりあえず死なないようにしなくちゃ。
『あ、神田に会わなきゃいけないんで地下水路でいいですか?』
とりあえず死なないようにと言えば、事が起きる前に防がなきゃ!
「うん。いいよ」
『ありがとうございます』
コムイさんに言うが早いか、私はダッシュでさっきまでいた森に走った。
神田のことだからまだそこにいると思ったんだよね。
私に付き合ってたせいで神田はたいした特訓にならなかっただろうから、私がいなくなった後が神田の時間ってわけ。私がいなくなった方が自分の特訓できるしね。
そう思ったんだけど、神田は同じ場所にいなかったった。
『神田!…いないのー?』
おかしいな。神田のことだから絶対にまだここにいると思ったんだけど、どこにいるんだろう?
どっかこの辺にはいるかな。
『神田ぁー!』
「うるせえな」
『ぅをあ!?』
神田は微妙に場所を変えて素振りをしていた。
『いるなら返事してよ!びっくりした!』
近くにいて返事しないなんて最低だよっ無駄に叫んだじゃんか!私が!
「お前うるせぇんだよ」
うるさい自覚はある。
『私任務だった!』
でも私はやめるつもりがない!だって、私がテンション下げたらみんなテンション低い人になって、全体的に暗くなるじゃん。ラビもそれを懸念していつもテンション高めなんじゃない?
それは関係ないか。
「んなことわかってただろ」
『ハゲろとか嘘だからね!』
そう言った私に、神田は「知ってる」とだけ言うと背を向けて素振りを再開した。
『じゃあ行ってきますっ』
なんだかそれが嬉しくて、私は軽い足取りで地下水路へ向かった。