水路には探索部隊の人とコムイさんがいた。
『すみません!遅くなりましたっ』
「大丈夫だよ」
探索部隊のあの出っ張った腹にはなにが入ってるんだろう?ビール?よく生きるか死ぬかのこの教団にいてそこまで太れたものだと関心すらしちゃうね。
「神田くんには無事会えたかい?」
『はい。ハゲるなって言ってきました。ありがとうございました』
「…そう」
私がコムイさんと話してる間、探索部隊の人はなにも言わなかった。怒るとも違うし、なんだろう…少なくともいい感情はなさそう。終始むっつりしてる。神田の予想外の言葉に軽くなった私の気持ちは、体と気持ちの重さと合わせて急激に萎んでいった。
ま、今から任務なんだから浮ついてちゃだめなんだけどねっ
「そうだ。これ」
『なんですか、これ』
「アリスちゃん専用のゴーレムだよ」
『専用?』
「そ!アリスちゃんの声を登録してあるから、話しかけるだけで教団に繋がるからね」
『おー!』
「声紋認証がついてるから他の人には使うこともできないよ」
『すげー!』
ハイテク!そしてセキュリティレベル高ぇ!
「だからってなくしたりしないでね!?それ作るのすんごい大変なんだから?!」
『はい!絶対になくしません!』
命の次に大事な物認定したからなくせるもんか!
「じゃあ気を付けて行っておいで」
『はい!いってきます!』
元気に教団を出たのはいいけど、探索部隊との会話なんてものはなし。終始無言である。
生憎能天気バカな私でも不機嫌な人に容赦なく話しかけられるほど神経図太くないので、同じくだんまりを決め込んでいる。
列車を乗り換えてロシアに近付くにつれて寒さは増していき、今では雪が積もり始めている。ずっと黙ってるからか、寒さが痛いほど身に凍みる。
いやだなぁ、現地はもっと強く降ってるのかな?そう言えば、雪が降ると世界が静まり返るように感じるのはどうしてなんだろう?探索部隊は教団を出る前からなにも話さないから、静かすぎて耳が痛い。このままじゃ耳鳴りがしそうだよ。
資料もさっき乗ってた列車で読んじゃったしなぁ…早く次の列車来ないかな…
そろそろ無音に堪えきれなくなってきたそんな時、ようやく沈黙し続けていた空気が振動した。
私にとって最悪の言葉で。
「まさか、今回のエクソシストが女のお前だったとはな」
ええ女ですとも。ついでに子供ですよ。
「なんで俺がお前みたいな奴と任務に行かなきゃならねーんだよ。教団は俺を殺すつもりか?どうせなら室長の妹がよかったぜ」
え、リナリーも女で子供ですけど?
なに、お前まさかとは思うけどリナリーのこと狙ってるの?マジで?はっは!
ねーわ。
「お前と任務とか命がいくつあっても足りねーよ。昔から危ねー戦い方してたからな」
そうなんだ、それは初耳。まさかこんなところでアリスの情報を得られるとは思わなかったよ。ありがとう。
「お前を支持する奴の気が知れたもんじゃねーよ。いつ死ぬかわかんねー戦い方するような奴、信用できるかよ。お前アクマと人間どっち殺してーの?」
それに対して真面目に答えるのであれば、本気で人間を殺したいと思ったことは今のところないよ。
「人のことバカにした目で見下しやがって、いつもムカついてたんだよな。お前何様なんだよ。使えねー奴は教団に必要ねーんだよ。俺はお前なんかに殺されたくねーからな」
それは元々アリスの目付きが悪かっただけでは?でも性格もあんまりよろしくなかったみたいだし、本当に見下してた可能性もあるなぁ。
それにしても、1度開いた探索部隊の口からは一層のこと面白いほど文句しか出てこない。よく単語が尽きませんね。私だったらボキャ貧勢だからもうとっくに底をついてると思う。
「最近はたいして任務にもつかねぇで毎日なにやってんだよ、お前なんのためのエクソシストだよ」
そうですね。そこに関しては事実なんで全面的に同意します。
でもさぁ、さっきから同じ意味の言葉ばっかりぶつぶつ言ってて煩いんだけど。そろそろ加減黙ってくれないかな。
さっきまで感じてた痛いほどの静けさが今は恋しいよ。
「散々寝こけてよ、記憶もぶっ飛んでシンクロ率も落ちてんだろ?そんなんでアクマとまともに交戦できんのか?」
無視無視。全部無視。私スルースキルは結構高いんだから。
「室長の命令じゃなきゃ、誰がお前みたいなのと任務に行くかよ。危ねー」
じゃあ来なければよかったじゃん。エクソシストは人数が少ないから半強制だけど、探索部隊は断れるって聞いたことあるもん。探索部隊はエクソシストと違って代わりがいるんだし…って、なんかこれ神田みたいな考えだな。やめよう。
そもそも私が弱いから言われてるんだよね。それをこの人のせいにしたらダメだ。ちゃんと現実を受け止めないと、いつまでたっても強くはなれない。
「お前みてーに使えねーやつ、どうせ室長のコネで今も教団にいるんだろ?あの神田とも仲いいみたいだしな。どうしたんだよ、床でも世話したのか?」
でもねぇ、我慢の限界って奴は誰にでもあるんですよねぇ。可哀想なことに、こいつはそれを知らないんだろうな。
『渡しなさい』
「は?」
ここまで大人しく聞いてるだけだったから、まさか私が反論するとは思ってなかったんだろう。
私だって人間で生きてて感情もあるんだよ?アリスはどうだったかわからないけど、私は比較する必要もないくらいに煩いタイプの人間なんだよ?そんなに驚くことかな?
『資料をよこせって言ったんですよ。ちゃんと耳ついてます?人の話なんにも聞いてないんですか?』
「なに言ってんだ?お前」
『はっ!お前こそマジでなんも話聞いてねぇのな。いいか。2度は言わねぇから耳の穴かっぽじってよぉーく聞いておけ?お前には、この任務の情報は、これ以上、一切必要ない。死ぬのが怖いと喚くケツの青いガキはさっさと帰って寝ろ』
「…は?」
こいつ理解力ひっくいのな。
え、まさかとは思うけど、私今日本語喋ってないよな?大丈夫だよな?
『まだわかんねぇの?お前はこの任務にいらねえって言ってんだよ』
「…なんだよその言い方」
おお、よかった。ちゃんと通じてた。
『私にとやかく言える程お前強いのか?贅肉ばかり無駄に蓄えて、とてもそうは見えねえけどな』
「てめぇ…っ」
『コムイには私から言っといてやるからお前は安心して帰れ。死にたくねぇんだろ?』
「バカにしやがって…!」
『遅ぇよ』
リナリーとラビを相手にほとんど毎日と言ってもいいくらい特訓してる私にとって、逆上して殴り掛かってきたこいつはあまりに遅い。私は簡単に避けるとそいつの首を絞め上げた。
しかもさ、今日は神田も相手してくれたんだよね。神田速かったなぁ…リナリーみたいにイノセンス使って速くなるわけじゃないのに。なにしたらあんな風になれるんだろう。
『…ほら。女で子供の現在教団最弱のエクソシストにこんな簡単に掴みあげられて、お偉い探索部隊サマは恥ずかしくねぇのか?あん?なんか言えよオイ』
つってもなぁんも言えねぇだろうけどな。なんせ気管潰してるから窒息寸前意識朦朧だろう?
感情のままにきったないこいつを雪の上に投げ捨てる。なんか手ぇぬるぬるする、キモい。え、マジでなにこれ。今すぐ洗いたいんだけど。
『わかったらいますぐ消えろ。そして2度と私の視界に入るな』
いっそ死ね!そんで帰ってくるな!
…ごめん言い過ぎた。別に死ななくていいわ。2度と会いたくないけど。
『レム、コムイに繋げ』
私はその場でコムイさんに連絡した。探索部隊がまだ転がってるけどそんなもんに構ってられない。
「どうしたのアリスちゃん」
『コムイ、あいついらねぇから帰す』
「探索部隊のことかな?」
『あいつずっとごちゃごちゃうるせぇんだよ。コムイが土下座しようとなにがあろうともあいつとは金輪際組まねぇ。顔も見たくねぇ』
「ずいぶん怒ってるみたいだけど、なにかあったの?」
『あいつ、コムイをばかにしやがった』
「ボク?」
『あと神田。私が教団にいるのはコネだろうって、コムイと神田と寝たからじゃないかって』
「そんな根も葉もないことを」
でも、だからこそムカついた。私がいつまでも弱いから周りがそう言われるんだ。声が震えそうになるのを必死に抑える。全部私が悪い。今にも涙腺が崩落しそうだけど、こんなことで負けたくない。
『初めて本気で殺したいと思うくらいムカついた。そんなこと、コムイさんも神田も言われなくていいのに、そう言わせてる私もムカつく』
実際みんなに守られてる私はなに一つ反論できない。アリスと違って弱い私は嫌いだ。強くなりたい。
「落ち着いて。今はどのあたりなの?」
『国境前の駅で列車待ちしてます』
「そう…ひとりで大丈夫?」
『やります。私はエクソシストですから』
少なくとも、みんなに守られなくてもいいくらいには強くなりたい。
「…無理はしないでね」
『はい』
「なにかあったら誰でもいいからすぐに連絡するんだよ」
『はい…』
「絶対、帰ってくるんだよ」
『…はい』
コムイさんの優しさが今は痛い。でも絶対に泣かない。それで笑って帰る。つーかこいつの前で泣いたりとか絶対しねぇ、それこそ死んでもしねぇ。
一つ深呼吸をして探索部隊に吐き捨てる言葉は決まってる。口汚いなんて気にしてられない。それに、丁寧に言ったところでこいつは変わらないし理解もできないよね?
『おら。聞いたか?わかったらさっさと帰ってクソして寝てろ、ガキ』
『すみません!遅くなりましたっ』
「大丈夫だよ」
探索部隊のあの出っ張った腹にはなにが入ってるんだろう?ビール?よく生きるか死ぬかのこの教団にいてそこまで太れたものだと関心すらしちゃうね。
「神田くんには無事会えたかい?」
『はい。ハゲるなって言ってきました。ありがとうございました』
「…そう」
私がコムイさんと話してる間、探索部隊の人はなにも言わなかった。怒るとも違うし、なんだろう…少なくともいい感情はなさそう。終始むっつりしてる。神田の予想外の言葉に軽くなった私の気持ちは、体と気持ちの重さと合わせて急激に萎んでいった。
ま、今から任務なんだから浮ついてちゃだめなんだけどねっ
「そうだ。これ」
『なんですか、これ』
「アリスちゃん専用のゴーレムだよ」
『専用?』
「そ!アリスちゃんの声を登録してあるから、話しかけるだけで教団に繋がるからね」
『おー!』
「声紋認証がついてるから他の人には使うこともできないよ」
『すげー!』
ハイテク!そしてセキュリティレベル高ぇ!
「だからってなくしたりしないでね!?それ作るのすんごい大変なんだから?!」
『はい!絶対になくしません!』
命の次に大事な物認定したからなくせるもんか!
「じゃあ気を付けて行っておいで」
『はい!いってきます!』
元気に教団を出たのはいいけど、探索部隊との会話なんてものはなし。終始無言である。
生憎能天気バカな私でも不機嫌な人に容赦なく話しかけられるほど神経図太くないので、同じくだんまりを決め込んでいる。
列車を乗り換えてロシアに近付くにつれて寒さは増していき、今では雪が積もり始めている。ずっと黙ってるからか、寒さが痛いほど身に凍みる。
いやだなぁ、現地はもっと強く降ってるのかな?そう言えば、雪が降ると世界が静まり返るように感じるのはどうしてなんだろう?探索部隊は教団を出る前からなにも話さないから、静かすぎて耳が痛い。このままじゃ耳鳴りがしそうだよ。
資料もさっき乗ってた列車で読んじゃったしなぁ…早く次の列車来ないかな…
そろそろ無音に堪えきれなくなってきたそんな時、ようやく沈黙し続けていた空気が振動した。
私にとって最悪の言葉で。
「まさか、今回のエクソシストが女のお前だったとはな」
ええ女ですとも。ついでに子供ですよ。
「なんで俺がお前みたいな奴と任務に行かなきゃならねーんだよ。教団は俺を殺すつもりか?どうせなら室長の妹がよかったぜ」
え、リナリーも女で子供ですけど?
なに、お前まさかとは思うけどリナリーのこと狙ってるの?マジで?はっは!
ねーわ。
「お前と任務とか命がいくつあっても足りねーよ。昔から危ねー戦い方してたからな」
そうなんだ、それは初耳。まさかこんなところでアリスの情報を得られるとは思わなかったよ。ありがとう。
「お前を支持する奴の気が知れたもんじゃねーよ。いつ死ぬかわかんねー戦い方するような奴、信用できるかよ。お前アクマと人間どっち殺してーの?」
それに対して真面目に答えるのであれば、本気で人間を殺したいと思ったことは今のところないよ。
「人のことバカにした目で見下しやがって、いつもムカついてたんだよな。お前何様なんだよ。使えねー奴は教団に必要ねーんだよ。俺はお前なんかに殺されたくねーからな」
それは元々アリスの目付きが悪かっただけでは?でも性格もあんまりよろしくなかったみたいだし、本当に見下してた可能性もあるなぁ。
それにしても、1度開いた探索部隊の口からは一層のこと面白いほど文句しか出てこない。よく単語が尽きませんね。私だったらボキャ貧勢だからもうとっくに底をついてると思う。
「最近はたいして任務にもつかねぇで毎日なにやってんだよ、お前なんのためのエクソシストだよ」
そうですね。そこに関しては事実なんで全面的に同意します。
でもさぁ、さっきから同じ意味の言葉ばっかりぶつぶつ言ってて煩いんだけど。そろそろ加減黙ってくれないかな。
さっきまで感じてた痛いほどの静けさが今は恋しいよ。
「散々寝こけてよ、記憶もぶっ飛んでシンクロ率も落ちてんだろ?そんなんでアクマとまともに交戦できんのか?」
無視無視。全部無視。私スルースキルは結構高いんだから。
「室長の命令じゃなきゃ、誰がお前みたいなのと任務に行くかよ。危ねー」
じゃあ来なければよかったじゃん。エクソシストは人数が少ないから半強制だけど、探索部隊は断れるって聞いたことあるもん。探索部隊はエクソシストと違って代わりがいるんだし…って、なんかこれ神田みたいな考えだな。やめよう。
そもそも私が弱いから言われてるんだよね。それをこの人のせいにしたらダメだ。ちゃんと現実を受け止めないと、いつまでたっても強くはなれない。
「お前みてーに使えねーやつ、どうせ室長のコネで今も教団にいるんだろ?あの神田とも仲いいみたいだしな。どうしたんだよ、床でも世話したのか?」
でもねぇ、我慢の限界って奴は誰にでもあるんですよねぇ。可哀想なことに、こいつはそれを知らないんだろうな。
『渡しなさい』
「は?」
ここまで大人しく聞いてるだけだったから、まさか私が反論するとは思ってなかったんだろう。
私だって人間で生きてて感情もあるんだよ?アリスはどうだったかわからないけど、私は比較する必要もないくらいに煩いタイプの人間なんだよ?そんなに驚くことかな?
『資料をよこせって言ったんですよ。ちゃんと耳ついてます?人の話なんにも聞いてないんですか?』
「なに言ってんだ?お前」
『はっ!お前こそマジでなんも話聞いてねぇのな。いいか。2度は言わねぇから耳の穴かっぽじってよぉーく聞いておけ?お前には、この任務の情報は、これ以上、一切必要ない。死ぬのが怖いと喚くケツの青いガキはさっさと帰って寝ろ』
「…は?」
こいつ理解力ひっくいのな。
え、まさかとは思うけど、私今日本語喋ってないよな?大丈夫だよな?
『まだわかんねぇの?お前はこの任務にいらねえって言ってんだよ』
「…なんだよその言い方」
おお、よかった。ちゃんと通じてた。
『私にとやかく言える程お前強いのか?贅肉ばかり無駄に蓄えて、とてもそうは見えねえけどな』
「てめぇ…っ」
『コムイには私から言っといてやるからお前は安心して帰れ。死にたくねぇんだろ?』
「バカにしやがって…!」
『遅ぇよ』
リナリーとラビを相手にほとんど毎日と言ってもいいくらい特訓してる私にとって、逆上して殴り掛かってきたこいつはあまりに遅い。私は簡単に避けるとそいつの首を絞め上げた。
しかもさ、今日は神田も相手してくれたんだよね。神田速かったなぁ…リナリーみたいにイノセンス使って速くなるわけじゃないのに。なにしたらあんな風になれるんだろう。
『…ほら。女で子供の現在教団最弱のエクソシストにこんな簡単に掴みあげられて、お偉い探索部隊サマは恥ずかしくねぇのか?あん?なんか言えよオイ』
つってもなぁんも言えねぇだろうけどな。なんせ気管潰してるから窒息寸前意識朦朧だろう?
感情のままにきったないこいつを雪の上に投げ捨てる。なんか手ぇぬるぬるする、キモい。え、マジでなにこれ。今すぐ洗いたいんだけど。
『わかったらいますぐ消えろ。そして2度と私の視界に入るな』
いっそ死ね!そんで帰ってくるな!
…ごめん言い過ぎた。別に死ななくていいわ。2度と会いたくないけど。
『レム、コムイに繋げ』
私はその場でコムイさんに連絡した。探索部隊がまだ転がってるけどそんなもんに構ってられない。
「どうしたのアリスちゃん」
『コムイ、あいついらねぇから帰す』
「探索部隊のことかな?」
『あいつずっとごちゃごちゃうるせぇんだよ。コムイが土下座しようとなにがあろうともあいつとは金輪際組まねぇ。顔も見たくねぇ』
「ずいぶん怒ってるみたいだけど、なにかあったの?」
『あいつ、コムイをばかにしやがった』
「ボク?」
『あと神田。私が教団にいるのはコネだろうって、コムイと神田と寝たからじゃないかって』
「そんな根も葉もないことを」
でも、だからこそムカついた。私がいつまでも弱いから周りがそう言われるんだ。声が震えそうになるのを必死に抑える。全部私が悪い。今にも涙腺が崩落しそうだけど、こんなことで負けたくない。
『初めて本気で殺したいと思うくらいムカついた。そんなこと、コムイさんも神田も言われなくていいのに、そう言わせてる私もムカつく』
実際みんなに守られてる私はなに一つ反論できない。アリスと違って弱い私は嫌いだ。強くなりたい。
「落ち着いて。今はどのあたりなの?」
『国境前の駅で列車待ちしてます』
「そう…ひとりで大丈夫?」
『やります。私はエクソシストですから』
少なくとも、みんなに守られなくてもいいくらいには強くなりたい。
「…無理はしないでね」
『はい』
「なにかあったら誰でもいいからすぐに連絡するんだよ」
『はい…』
「絶対、帰ってくるんだよ」
『…はい』
コムイさんの優しさが今は痛い。でも絶対に泣かない。それで笑って帰る。つーかこいつの前で泣いたりとか絶対しねぇ、それこそ死んでもしねぇ。
一つ深呼吸をして探索部隊に吐き捨てる言葉は決まってる。口汚いなんて気にしてられない。それに、丁寧に言ったところでこいつは変わらないし理解もできないよね?
『おら。聞いたか?わかったらさっさと帰ってクソして寝てろ、ガキ』