授業は相変わらず退屈で、ふとした瞬間、いなくなった昊罹の席を気にしてる自分に気付いて嫌になる。今日の午後は、昊罹がいなくなったと気付いたきっかけにもなった合同授業。
嫌でも思い出す。
おかしいとは思ったんだ。いつもと様子がおかしかったことにも気付いてた。だけど気付かないふりをした。昊罹なら大丈夫だって勝手に思ってた。勘違いしてた。
「くそ…」
あいつが俺らになんにも言わねぇことくらいわかってたのに、わかってなかった。
「あーつまんね」
昊罹がいねぇとつまんねぇよ。
今にも後ろからシャーペンの先で突いてきそうな感覚を振り払いながら、長ったらしい古文の板書を続けた。
「本日の授業はここまでにします。皆さん、ごきげんよう」
国語の斎藤ちゃんはいつも授業がのびるなんてことはしないから、昼メシ買うやつにはかなり気に入られてる。
時間配分が超うまいんだよな…当然俺も嫌いではない。
「さて、宍戸とジローんとこいくかな」
弁当をひっつかんで教室を出る。水は行き掛けの自販機で買えばいいか。
「おーい、宍戸ージロー」
「悪い、ちょっと待ってくれ」
珍しく宍戸が机に向かってるのが気になって、俺は宍戸に近寄った。
「数字?」
紙には四桁の数字が書かれていた。授業ではなさそうだ。式はないし、なんだこれ?
「向日、昊罹の好きな数字ってわかるか?」
「数字?それってこれに関係してるのか?」
紙を指差して聞くと肯定の返事が返っていた。
「いや、わかんねえ」
「そうか…」
「あ。でもよ、3が好きみたいなことは聞いたな」
「…サンキュ」
「メシ食わねえのか?」
「いや…よし、これでいいか。待たせたな。ジロー行くぞ」
「はぁい」
途中ペットボトルを買って、昊罹の欠けた三人で屋上へ向かう。
やっぱ授業だるいなー。