ふざけんな…ふざけんなよ。こんなの残しやがって、俺にどうしろってんだよ!
「宍戸くん?」
きっと不機嫌丸出しな顔だったと思う。
付き合い始めてから初めてプレゼントしたネックレス。一度だってつけてる所を見なかったから、とっくに捨てたもんだと思ってた。
それを、よりによって全部忘れた昊罹がもってるなんて…
そんな、知らないやつを呼ぶように俺を呼ぶな。俺の知ってる昊罹の声で、俺を知らないなんて吐くな。
「くそ…っ!」
なんなんだよ…
なんでお前なんだ。なんで昊罹だったんだ。
「なんで…」
「あの、大丈夫ですか?気分が優れないのでしたらお医者様を」
「いや、大丈夫だ…悪い」
「ならいいんですけど」
「早彩ー置いていくよー?」
「あ、ごめん。もし辛いようならすぐお医者様に仰ってくださいね?」
なんで俺らだっただ。
邪魔なんかじゃねえよ。お前が邪魔なわけないだろ。なんでひとりで悩んで勝手に解決すんだよ。俺に一言くらい言えよ。
いや、お前はいつもそうだったよな。俺にくらい相談しろって言っても聞きやしねえからこうなんじゃねえか。
俺になんかできたかもなんて言えねぇけど、少しだけでも言ってくれたらよかったんだ。辛いなら辛いって言ってほしかったんだよ。
新しい女なんていらねえよ。お前が、昊罹が隣にいればそれでよかったんだ。お前がひとりで苦しまなくてもよかったんだよ。なんでそんなこともわかんなかったんだよ…昊罹…
降り始めた雨を無視して、俺は病院を飛び出した。
「…俺だって…」