思い出の中の彼女と、今の彼女。
    [NoSide] 

    「いきなりいなくなったと思ったらこんなところにいたなんて、想像もしてなかったよ」
    「でも、螺々空先輩がお元気そうでよかったです!な、日吉!」
    「心配かけたみたいでごめんね」
    「本当に大丈夫なんですか?」
    「うん、別に体はなんでもないから」
    「俺は昊罹ちゃんに会えてうっれしーいっ」
    「ありがとう」
    「入院なんて言うからもっと悪いのかと思ったぜっ」
    「岳人あんまり騒がんとき」
    「大丈夫だよ。みんなが来てくれるまで、あんまり静かすぎてつまんないなぁと思ってたくらいだから」
    「騒ぎすぎて倒れるなよ?」
    「あたしってそんなにか弱かったの?」
    「いや、向日とジローと一緒になって駆け回ってたな」
    「だと思った。あ、みんななんか飲む?」
    「病人が気ぃ使わなくていいんだよ」
    「本当に体は大丈夫だから、みんなこそ気にしないで」
    「じゃあ俺果物でも切りますよ」
    「悪いよ、日吉くんはお客様なのに」
    「先輩こそ病人なんですからおとなしくしててください」
    「ふふ、はい」
    「びっくりしたやろ」
    「うん、こんなにたくさんで来てくれるなんて思わなかった」
    「…ここだけの話、跡部も心配してたしー」
    「そうなの?」
    「だろうな。昊罹がいなくなってからみんな無駄にピリピリしてたし」
    「ごめんなさい」
    「そんな意味じゃねぇよ」
    「そうだしぃー、気にしないで」
    「でもあたしのせいなら」
    「ポッキー食べてー」
    「…ありがとう」
    「できましたよ螺々空先輩!」
    「ありがとー」
    「切ったのは俺だ。さも自分が切ったように言うな」
    「ありがとう日吉くん」
    「いえ、」
    「なんだ、日吉も心配してたのか」
    「…悪いですか?」
    「いや」
    「んーっこの桃おいしーい!」
    「なんであなたは先輩より先に食べてるんですか」
    「梨もうまいぞ?」
    「だからあんたたち」
    「日吉も食べればー?」
    「んぐっ」
    「うまいだろー」
    「…痛いじゃないですか」
    「でも食べたー」
    「うまいだろー?」
    「まぁ」
    「俺ももらっていい?」
    「もちろん」
    「お前ら、もう行くぞ」
    「えー早くなーい?」
    「もうそんな時間?」
    「病院の夕食は早いんだよ。俺達がいつまでもいたら迷惑だろ」
    「こんなに切っちゃって大丈夫でしたか?」
    「うん、看護婦さんと話ながら食べられるし」
    「ご飯入るー?」
    「もちろん」
    「相変わらずよく食べるんだな」
    「じゃあ、また後日訪ねる」
    「じゃーねー!」
    「また来るからな!」
    「お大事に」
    「くれぐれも食べ過ぎないでくださいよ」
    「うん。みんなありがとう。また」