「お兄さんが宍戸くんでしたか」
「なんだよ」
「さっき手帳に何回か名前があったなぁと思いまして」
やっぱり忘れてた。
でもどこまで覚えてるかなんて聞けねぇ。
「宍戸くんはこの人たちも知ってますか?」
「あ?あぁ、そうだな」
「あたし会ってみたいです!」
「お前何回も会ったことあんだぜ?」
「でも覚えてない」
「あー…じゃあ部活のない日に連れてきてやるよ」
長太郎もまた会いたがってたしな。
「いつ?」
「水曜か?」
「わかりました」
「なに書いてんだよ」
「予定?」
「いままでもずっと書いてきたのか?」
「たぶんそうだと思いますよ。見ます?」
「いいのか?」
「構いませんよ。あたしもよくわかってないんですけどね」
見せられたページに驚いた。なんだよこれ、ほとんどページ真っ黒じゃねぇか。
「びっくりしますよね、あたしもさっきびっくりしました」
「いつもこんなに書いてんのか…」
「そうみたいですよ?」
すげぇ細かい。誰が来てなにを話したか…そんなことまで書かなくていいだろ。話した内容なんて俺でも忘れるわ。
「…なんで…」
「あ?」
「なんでもないっ」
なんだ?なんか…
「なんか思い出したのか?」
「いえ、そうじゃないです」
「そうか」
なんか、引っ掛かったのは気のせいか?