それは、希望にも似た決意で。
    [Side:K.Atobe] 

    「跡部ならなんか知ってんだろ?」
    「なんのことだ」
    「とぼけんじゃねえ!お前なら知ってんだろ!」
    「はっ!いくら俺が生徒会長でも個人情報なんか回ってこねえよ」

    ただでさえ最近はうるせえんだからと切り上げると、宍戸は押し黙った。

    理由なら俺だって知りてえよ。いきなりいなくなりやがって…後で面倒臭ぇのは俺様なんだから、一言くらい言っていけよ。

    「跡部でもわかんねえのか」
    「…まぁ中学は義務教育だからな、どっかその辺の学校にはいるんじゃねぇのか?」
    「学校って辞められるものじゃないしー」
    「高校はやめられるんだぞ」
    「えー!そーなのー!?」
    「義務教育じゃなくなるからな。だから大工とかは中学でてすぐ働いたりできんだろ?」
    「ふーん」
    「ジロー、そんな興味なさそうにすんなよ…」
    「だって興味なんてはじめからないしー」
    「あんだけ食いついといてなんだよ!」

    話がうまい具合に逸れだした。あれ以上は面倒だから都合がよかった。

    だいたい、理由が聞きたければ本人に聞けばいいだろうが。なんで俺に聞こうと思ったのかわかんねえよ。

    「そうだ、電話すればいいんじゃね?」

    岳人が思い付いたように、まるで妙案だと言わんばかりに携帯を取り出した。

    お前ら、それに気付いてなかったのかよ。

    「そーじゃんっガックンあったまいーい」

    しばらく携帯を耳に当てて、なにも話さないで切る。そんな行動が数回繰り返された。

    「…出ねえんだけど」
    「忙しーのかなぁ」
    「いつまでもんなことしてんな。練習すんぞ」

    そういえば渋々と言った調子でラケットを手にする。

    ったく、こいつらの士気を下げるようなことしやがって…見つけたら覚悟しとけよ?昊罹。