月島&山口
年が明けて1月。
セールとか初売りとか、聞いたことはあるけど行ったことはないから「行きたい!」ってお母さんに言ったんだけど、今年は忙しいからもう少し後でって言われた。でも私は今やってる初売りの雰囲気を見に行ってみたいのだ。だから時期が過ぎてから行っても意味がない。
そう思ったからひとりでも大丈夫って説得しようとしたんだけど、危ないからって全然許可してくれない。
「け、蛍ちゃんごめんね!おまたせ!」
「慌てなくていいから。山口もこれから来るし」
それを蛍ちゃんに愚痴ったら、ため息をつきながらも一緒に行くと言ってくれた。それを忠くんに言ったら一緒に行きたいって言ってくれた。
お母さんに言ったらまた迷惑かけてなんて言ってたけど、もう約束したって言ったら諦めたようにやっと行っていいよって言ってくれた。
蛍ちゃんがもしも一緒に行ってくれなかったら、私は今も不貞腐れたまま部屋にいたかもしれない。
「山口もうすぐ着くって」
「気を付けてきてねって言っといて」
「ん」
そう言えば、お母さん以外とお買い物に行くの初めて。
「なに買いたいとかあるの?」
「買いたいって言うよりも、人混みになりそうな所ってあんまり行かないから、どんな感じかなって見たい」
「でもなに見るかだけでも決めないと、ただでさえ慣れてないんだから酔うよ」
「そっか…」
そうだよね。なにも目的がないとうろうろするばっかりで2人を疲れさせちゃうかもしれない。
なにが欲しいかな…お年玉もらったからそれなりにお買い物できるけど、自分だけでなにかを買いに行くなんて初めてのことだからわかんない。
「おまたせー!」
「そんなに待ってないから大丈夫だよ」
「遅刻仲間だもんね」
「そうなの?」
「うん、お母さんにちゃんと暖かくしなさいって帽子まで被らされて」
ニット帽って嫌いなんだよね。これ昔から使ってるからか頭きゅうってするし、蛍ちゃんの隣にいるときに被ると小ささが顕著になる感じがする。そのわりにあんまり暖かくない。
「おばさんも相変わらずだね」
「もうちょっとほっといて欲しい」
「それは無理デショ」
「俺もそう思う」
「えー。私そんなになんかやらかしそうに見える?」
「そうじゃないけど…」
「ねぇ?」なんて言いながら2人は顔を見合わせて納得してしまった。
私はなにもわかんないんだけど。でも聞いても教えてくれないと思う。男の子ってズルい。
「遅くなると冷えるから行くよ」
「うん」
あ。そうだ!
「蛍ちゃん、忠くん」
「なに?」
「買いたいものあった」
「買いたいものないのに行きたかったの?」
「セールとか行ったことないから、雰囲気が知りたかったんだって」
「ああ」
「で?なに欲しいの」
「帽子欲しい」
せっかくだからかわいいの欲しい。ニット帽じゃなくて、かわいいやつ。
「いいんじゃない?」
「どんなのがいいの?」
「まだわかんないけど、かわいいの欲しい」
「また大雑把な…」
なんか調べてくれば良かった。どんなのがあるかな?
「耳当てついてるのとかよくない?」
「そんなのあるの?」
「うん。耳が凍えなくていいと思う。あと最近は帽子に耳がついてるのもあるみたいだよ」
「耳?」
それはちょっと気持ち悪い…
「一応言っておくけど、人の耳じゃなくて熊とか動物の耳だからね」
なんで蛍ちゃんは私の考えたことがわかったんだろう…
「ウサミミとかネコミミとか最近は色々あるみたいだよ」
「そうなんだ」
ネコミミがついた帽子…かわいいかも。
「似合う帽子あるかな」
「たくさんあると思うからきっとあるよ」
あるといいなぁ。
で、次に2人とおでかけするときは被っていくんだ。
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年が明けて1月。
セールとか初売りとか、聞いたことはあるけど行ったことはないから「行きたい!」ってお母さんに言ったんだけど、今年は忙しいからもう少し後でって言われた。でも私は今やってる初売りの雰囲気を見に行ってみたいのだ。だから時期が過ぎてから行っても意味がない。
そう思ったからひとりでも大丈夫って説得しようとしたんだけど、危ないからって全然許可してくれない。
「け、蛍ちゃんごめんね!おまたせ!」
「慌てなくていいから。山口もこれから来るし」
それを蛍ちゃんに愚痴ったら、ため息をつきながらも一緒に行くと言ってくれた。それを忠くんに言ったら一緒に行きたいって言ってくれた。
お母さんに言ったらまた迷惑かけてなんて言ってたけど、もう約束したって言ったら諦めたようにやっと行っていいよって言ってくれた。
蛍ちゃんがもしも一緒に行ってくれなかったら、私は今も不貞腐れたまま部屋にいたかもしれない。
「山口もうすぐ着くって」
「気を付けてきてねって言っといて」
「ん」
そう言えば、お母さん以外とお買い物に行くの初めて。
「なに買いたいとかあるの?」
「買いたいって言うよりも、人混みになりそうな所ってあんまり行かないから、どんな感じかなって見たい」
「でもなに見るかだけでも決めないと、ただでさえ慣れてないんだから酔うよ」
「そっか…」
そうだよね。なにも目的がないとうろうろするばっかりで2人を疲れさせちゃうかもしれない。
なにが欲しいかな…お年玉もらったからそれなりにお買い物できるけど、自分だけでなにかを買いに行くなんて初めてのことだからわかんない。
「おまたせー!」
「そんなに待ってないから大丈夫だよ」
「遅刻仲間だもんね」
「そうなの?」
「うん、お母さんにちゃんと暖かくしなさいって帽子まで被らされて」
ニット帽って嫌いなんだよね。これ昔から使ってるからか頭きゅうってするし、蛍ちゃんの隣にいるときに被ると小ささが顕著になる感じがする。そのわりにあんまり暖かくない。
「おばさんも相変わらずだね」
「もうちょっとほっといて欲しい」
「それは無理デショ」
「俺もそう思う」
「えー。私そんなになんかやらかしそうに見える?」
「そうじゃないけど…」
「ねぇ?」なんて言いながら2人は顔を見合わせて納得してしまった。
私はなにもわかんないんだけど。でも聞いても教えてくれないと思う。男の子ってズルい。
「遅くなると冷えるから行くよ」
「うん」
あ。そうだ!
「蛍ちゃん、忠くん」
「なに?」
「買いたいものあった」
「買いたいものないのに行きたかったの?」
「セールとか行ったことないから、雰囲気が知りたかったんだって」
「ああ」
「で?なに欲しいの」
「帽子欲しい」
せっかくだからかわいいの欲しい。ニット帽じゃなくて、かわいいやつ。
「いいんじゃない?」
「どんなのがいいの?」
「まだわかんないけど、かわいいの欲しい」
「また大雑把な…」
なんか調べてくれば良かった。どんなのがあるかな?
「耳当てついてるのとかよくない?」
「そんなのあるの?」
「うん。耳が凍えなくていいと思う。あと最近は帽子に耳がついてるのもあるみたいだよ」
「耳?」
それはちょっと気持ち悪い…
「一応言っておくけど、人の耳じゃなくて熊とか動物の耳だからね」
なんで蛍ちゃんは私の考えたことがわかったんだろう…
「ウサミミとかネコミミとか最近は色々あるみたいだよ」
「そうなんだ」
ネコミミがついた帽子…かわいいかも。
「似合う帽子あるかな」
「たくさんあると思うからきっとあるよ」
あるといいなぁ。
で、次に2人とおでかけするときは被っていくんだ。