木兎
「おーい!柏手ー!」
「あれ?木兎どしたん?」
木兎が元気すぎるほどに手を振りながら走ってきた。
放課後は、ほとんど体育館から出てくることがないことを知ってるからこそ出た疑問である。
「きゅーけー」
「いや、そうじゃなくて」
なんてことないように休憩という木兎に私が混乱した。
混乱を招いてる本人は、訳がわからないと言うように首をかしげている。図体がでかいくせに、どうしてかかわいいしぐさが妙に似合う。
「あんたが素直に休憩とるなんて珍しいと思ったの」
「マネちゃんに怒られたから」
怒られた瞬間を思い出したのか、木兎はわかりやすくへこんでる。
なんだっけ。へぼくと?違ったっけ?
「マネちゃんってかおちゃん?」
「いや」
「あらま。白福さんが怒ったんだ」
聞いてみると予想外の名前が出てきてびっくりした。
普段からぽわーっとしてる白福さんが怒るなんて珍しい。と言うか、怒らせるのがすごい。
「俺が休憩しないと赤葦も休憩できないから、もし赤葦が倒れたらどうするんだって」
それは正論なので、どうにもフォローできない。
「あと、ただでさえ休憩時間もやることがあるのに休む暇なくボール拾いなんてしたくないって」
そっちが本音か。まぁマネージャーは選手とは全く違う苦労があるだろうからな。
…マネージャーっていつ休憩してるの?
「トス練くらいなら1人でもできるけど、木兎はスパイク練ばっかりだもんね」
「だってキモチーし」
「でもトスあげてくれる人がいないと打てないでしょ」
「うん」
「じゃあちゃんと休憩もすること」
「はい」
明日まで覚えてたらいい方かな。木兎はアホだから、すぐ忘れるんだよ。鳥頭なんだよ。
「柏手も休憩してるのか?」
「してるよ」
「柏手ずーっと絵描いてるイメージあるんだよなぁ」
それは否めない。
調子がよければ炎天下だろうと気にせず5時間でも8時間でもぶっ続けで描き続けてる。結果熱中症を起こして動けなくなった経験があるから気を付けてはいるけどね。いかんせん集中すると休憩なんてものは忘れがちになるものだ。
「柏手もちゃんと休憩しろよ?」
「うん」
「あと出来るだけ日陰にいろよ?」
「うん」
あれ?さっきと逆転してないか?
「じゃー俺戻るわ」
「うん。頑張っ…楽しんで」
バレーが好きで際限なく続けてしまうことを知っているからこそ【頑張って】が似合わないと思い変えた言葉だけど、木兎はことの他それが気に入ったらしい。
「おう!柏手も楽しめよ!」
しかしどうして、同じ言葉を返されると嬉しくなるものらしい。
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「おーい!柏手ー!」
「あれ?木兎どしたん?」
木兎が元気すぎるほどに手を振りながら走ってきた。
放課後は、ほとんど体育館から出てくることがないことを知ってるからこそ出た疑問である。
「きゅーけー」
「いや、そうじゃなくて」
なんてことないように休憩という木兎に私が混乱した。
混乱を招いてる本人は、訳がわからないと言うように首をかしげている。図体がでかいくせに、どうしてかかわいいしぐさが妙に似合う。
「あんたが素直に休憩とるなんて珍しいと思ったの」
「マネちゃんに怒られたから」
怒られた瞬間を思い出したのか、木兎はわかりやすくへこんでる。
なんだっけ。へぼくと?違ったっけ?
「マネちゃんってかおちゃん?」
「いや」
「あらま。白福さんが怒ったんだ」
聞いてみると予想外の名前が出てきてびっくりした。
普段からぽわーっとしてる白福さんが怒るなんて珍しい。と言うか、怒らせるのがすごい。
「俺が休憩しないと赤葦も休憩できないから、もし赤葦が倒れたらどうするんだって」
それは正論なので、どうにもフォローできない。
「あと、ただでさえ休憩時間もやることがあるのに休む暇なくボール拾いなんてしたくないって」
そっちが本音か。まぁマネージャーは選手とは全く違う苦労があるだろうからな。
…マネージャーっていつ休憩してるの?
「トス練くらいなら1人でもできるけど、木兎はスパイク練ばっかりだもんね」
「だってキモチーし」
「でもトスあげてくれる人がいないと打てないでしょ」
「うん」
「じゃあちゃんと休憩もすること」
「はい」
明日まで覚えてたらいい方かな。木兎はアホだから、すぐ忘れるんだよ。鳥頭なんだよ。
「柏手も休憩してるのか?」
「してるよ」
「柏手ずーっと絵描いてるイメージあるんだよなぁ」
それは否めない。
調子がよければ炎天下だろうと気にせず5時間でも8時間でもぶっ続けで描き続けてる。結果熱中症を起こして動けなくなった経験があるから気を付けてはいるけどね。いかんせん集中すると休憩なんてものは忘れがちになるものだ。
「柏手もちゃんと休憩しろよ?」
「うん」
「あと出来るだけ日陰にいろよ?」
「うん」
あれ?さっきと逆転してないか?
「じゃー俺戻るわ」
「うん。頑張っ…楽しんで」
バレーが好きで際限なく続けてしまうことを知っているからこそ【頑張って】が似合わないと思い変えた言葉だけど、木兎はことの他それが気に入ったらしい。
「おう!柏手も楽しめよ!」
しかしどうして、同じ言葉を返されると嬉しくなるものらしい。