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「霞、お父様!」
「枢…!」
いつの間にか外に出て来ていたお兄様が私とお義父様を庇うように私達の前に出た。
「さがって。こいつを滅ぼすのは僕の最大の義務だから」
「…枢。お前がさがりなさい。我が子の背中に庇われるなんて親の誇りを打ち砕かないでほしい…」
お義父様の腕が、私と、お兄様の肩に回され私とお兄様はお義父様に後ろから抱き締められた。
「……っ違う…お父様…悠…僕は……」
「大丈夫…全部わかっていて言っているんだよ…」
ピキン、という何かにヒビが入る音が上から聞こえた。見上げると、悠お義父様の頬に微かにヒビが入っていた。
「おとう、さまっ…!」
「…悠…今の剣で心臓も…!」
お義父様の顔のヒビが大きくなる。それと同時に、お義父様の腕に力が入った。キツく、抱き締められる。
「…それでもお前はずっと…僕たちのかわいい子供に変わりなかっただろう…?」
涙で視界が霞む。よく見えなかったけれど、お義父様が私とお兄様に笑いかけた、そんな気がした。
「枢−−−−−」
お義父様がお兄様に何かを囁いた。驚いた表情をしたお兄様が、お義父様の頬に手を伸ばす。刹那、パンッという大きい音を響かせお義父様の姿が消えた。
「おとう…さま…っ?」
ゆっくり、涙が頬を伝う。一度出てしまったらもう留めることなんて出来なくて、次から次へと涙が溢れた。
「……霞…ごめんね、」
私の肩に、お兄様の腕が回される。優しい声で謝罪を口にするお兄様の手が私の額に上がる。私を、眠らせようとしている。段々と薄れて行く意識の中で、微かにお兄様の声が聞こえた。
「君だけには、見せたくなかったよ…」
その意味を理解する暇も無く、私の意識は途絶えた−−。
(枢……樹里と僕は、お前と霞の仲を応援しているよ…)
chapter0 - End.