「あなた、もしかして黒村修造の娘?」

「え!何故父の名前を…?」

「あぁ、…やっぱり」

ため息を吐いた赤井さんのお母さんは帽子を下げ、私に話した。

「アレは…私の、友人だったのよ」

「ほ、ほんとですか…!?」

「陸上自衛隊中将、だったかしら?1年前のあの事件は…御愁傷様だったわね」

「……」

まさか赤井さんのお母さんがお父さんの知り合いだなんて思わなかった。1年前の出来事と両親の笑顔を思い出し、少し涙ぐむ。

「アレは正義感に溢れてて、私には眩しいくらいだったわね。良い人と結婚できたみたいで安心したけど。貴女だけでも生きていてよかったわ…」

「っ…」

涙がポロポロあふれる。確かにお父さんは正義感に溢れた素晴らしい自衛官だった。お母さんも凶暴なとこはあったけど優しくて、3人…家族で一緒にいることがなによりも普通でなによりも幸せだった。
鼻をすすった私を赤井さんのお母さんは抱きしめ、ポンポンと背中をあやすように叩かれた。
恥ずかしい所を見せてしまってすみません、と涙を拭い言うといいのよ、と言われた。めっちゃいい人。
赤井さんのお母さんからのたっての希望でメアリーさんと呼ぶことになった。

「そういえば、秀一とはどこまでいってるの?」

「えっ!?秀一とはどこまでいってるのって…いや、どこもいってないですけど…」

「…はぁ」

メアリーさんはため息をつくと、あのバカ息子をよろしくね、と言ってきた。
よくわからないが仲良くしてて問題はないのではい、と答えるとメアリーさんと妹を除く赤井ファミリーがやってきた。

「母さん、恭子…妹の所へ行くぞ」

「あー…私お腹すいたんで海の家行ってきます」

「そうか、わかった」

そう言うと妹を除く赤井ファミリーは入口の方へ向かって行った。さあ、金もあることだしなんか食べよ





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