今日は18歳の誕生日だ。
工藤ファミリーが盛大に祝ってくれるらしく、おつかいを頼まれたので行ってきまーすと言って外へ出る。
その瞬間昼なのに真っ暗な空が、空間がぐにゃりと動き、景色が変わった。

「ここは…」

「ようこそ黒村恭子さん。あなたには審神者の素質があります」

「…え?」

黒い布で顔を隠した男の人は私に説明した。

「時の政府というものはご存知ですよね?私達がそうです。時の政府は歴史を変えようとする歴史修正主義者というものから刀剣の付喪神、刀剣男士たちを指示し、歴史を守るお仕事をする審神者というものを霊力が基準に達したものからスカウトしていっております。」

「なに、それ…意味わからん。とりあえず家に帰してくださいよ」

「それは無理でございます。審神者の仕事場所"本丸"からは25歳を過ぎないと出られないことになっております。審神者という職業のことを自分から話せばその者が歴史修正主義者に狙われるやもしれません。」

「強制ってこと…ですか…!?」

「はい、そうです。歴史修正主義者との戦争が終われば審神者としての職務を口外しても構いませんし人を殺める行為をする以外の目的なら真剣を扱う許可も出ます。給料はざっと一年で××××××××××××円なので家族に貢献もできるでしょう。」

「いや、…その審神者をやるなら、私は行方不明ということにしてください」

「畏まりました」

自称ホームズの弟子の新一が成長して探ってくるかもわからんし、何より巻き込みたくない。
一言言えば「強制」の審神者をやりたくなくなる。
寂しい思いに蓋をして、私はもう一度口を開いた。

「それと、最後にメールを送ってもいいですか?」

「構いません」

メールの作成画面を開き、降谷先輩宛に「すみません…約束、近いうちに守れそうにありません。私は無事なので探さないでください」と送る。アメリカにいるであろう赤井さんにも「またいつか遊びましょう」と送り、携帯を破棄してもらう。

あぁ、…戦争を早く終わらせて、みんなに会いたいなぁ
これから何年もみんなに会えないということを覚悟した私の目から涙が一粒落ちた。




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