私が審神者になり5年が経った。もう既に成人しており、23歳だ。成人式出たかったなぁ…

初期刀は歌仙で、初鍛刀は今剣。ちなみに私の近侍はずっと歌仙だ。この本丸を運営してからそれだけは変わらない。

「あーもー…主、そんなくつろぎ方雅じゃないよ…」

「眠い」

歌仙ははぁ、とため息をつくとどこかへ行ってしまった。本当に眠い。目を瞑るとなかなか開けられなくなり、そのまま眠ってしまった。

起きると毛布が掛けてあり、たぶん歌仙が掛けてくれたんだろうなぁと直感で感じる。
毛布を畳み、くあぁとあくびをすると居間へと向かう。
居間には一期、五虎退、乱、鶯丸、三日月、小狐丸、石切丸が居た。みんなそれぞれお茶を飲んだりお菓子を食べたりしてくつろいでいる。
どっこいせ、と座ると小狐丸がやってきて私の膝に頭を乗っけるのでくすっと笑い、ふわふわの頭をひと撫でする。あっヤバイ。気持ちいい。
持ってきた本を読み始めると光忠がお茶と練りを置いてくれて、ありがとうと言うとこんなの当たり前だよ、と笑いかけてくれた。イケメンスマイル眩しくてつらい。
居間には私たっての希望でテレビをつけてあり、現代の情勢をたまに確認したり、みんなでバラエティを見て笑ったり、ミステリーを見て悩んだりしている。今はバラエティ番組を一期と五虎退と乱が観ているようだ。
でもこんなにテレビを見ていても何故かわからないが現世に行きたいという刀剣は一振もいない。なんか私がいればいいらしい。なんという可愛い子達なんだ…!!
そのままくつろいでいると、腕のブザーが振動する。政府からのメッセージだ。
今回は完全に個人的な事だったらしく、ロックがかかってある。
パスワードを打ち込みメールを読むと、どうやら私の世界からスカウトした私以外の審神者が全員ブラックだと判定されたらしい。その内の2人は過剰ブラックで、刀剣男士も闇落ち寸前らしい。
早々に縁を切らないといけないがその2人ともう1人のブラック本丸運営者は刀剣を数振り連れて現世に逃げたらしく、見つける事は政府がやるが縁を切り刻印を刻む仕事は私にやって欲しいとの事だった。
刀剣との縁を切るためには審神者を刀剣男士の本体で胸を刺し、霊力を込めるらしい。
抜いた後は、傷が残らない代わりに縁を切った「証拠」として真っ黒な桜の刻印が心臓の上に浮かび上がる。どういう仕組みかはわからないが。
政府からの仕事だと仕方がない、ということでメールに書かれたブラック本丸のIDをタブレットに打ち込み、ガチパ第二部隊までを集合させる。
そしてブラック本丸に行き、縁を切るという作業を二回繰り返した。

一つ目の本丸ではブラック三日月宗近に首を少し切られ、まあ大丈夫だろうと考えているとブラック歌仙兼定に左腕を少し切られた。ちょっと痛いし血も流れてるけど先に任務終わらせたいからほっといた。

二つ目の本丸では最後の最後でブラック五虎退に左脇腹を切られ流石にぐってなった。けど力を振り絞り歌仙兼定を使い縁を切ると審神者専用の救急車を呼びそのまま意識を失った。

首、左腕、左脇腹の刀傷はうっすらと痕が残るらしく、歌仙には女の子が…!と涙ぐまれた。審神者は高給取りだから1人で生きていけるしいいんだよ歌仙と慰めておいた。

病院で部屋から持ってきてもらった工藤ファミリーとの家族写真を眺める。あぁ、会いたいなぁ


ALICE+