9歳になった。どうやら私は他の子供達に比べて大人びているらしく、小学四年生の私がどこへ遊びに行こうと帰ってくるから大丈夫だろうと思っているらしく、どこへ行ってくると言ってもいってらっしゃいで終わる。いやまあ自由にできるのは嬉しいけど。
今日は少し電車で遠出していて、そこらへんをブラブラしている。こうやって散歩するのが私の趣味だ。
少し人気の少ない裏路地に入ると蹲っている人が居たので声をかけると顔を顰められた。

「お前は……誰だ」

「え、通りがかっただけの人ですけど…って、血が出てるじゃないですか!これは、…銃創?なんでまた…」

腕を打たれていたので着ていた服の袖を破り止血をしてすみません、と一言断りをいれてから流れ出る血に指をつけ携帯で時刻を確認し、止血した時間を男の人の頬に書いた。
ちょうど冬なので寒さで痛みはマシだろうが相当痛いだろう。救急車と警察を呼んで男の人に話しかける。

「鉛中毒のおそれもあるしこんな血まみれでほっとけないんでとりあえず応急処置をして警察と救急車を呼びました。もうすぐで来ると思うので頑張ってください…!」

「…本当に、ありがとう。的確な処置、見事だったぞ嬢ちゃん。…でも、もし次にこんな血を流して蹲ってる怪しいやつを見かけたら気をつけるんだぞ。もしかしたらお前を襲うかもしれない」

「はい、心配ありがとうございます。…痛い、ですよね…」

そっと男の人の顔から出ている汗を自身の手でぬぐってやると汚いからやめた方がいいぞ、と言われた。男の人の頭を撫でると目が柔らかく細まり、微笑まれた。

「嬢ちゃん、名前は?」

「えっと…黒村、恭子です」

「そうか…俺は、赤井秀一だ。本当にありがとう、小さな恩人さん」

男の人がそう言うと遠くからサイレンが聞こえてきた。

「あ、やっときましたね。もう少しの辛抱ですよ!」

「あぁ…」

どうやら男の人は赤井秀一と言い、何らかの事件に巻き込まれたらしい。かわいそうに。
きた救急車に男の人を乗せ、警察には事情聴取をされ、夕方に帰った。

あぁ、なんだか濃い1日だったなぁ…




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