No.02




……っ!!!


信じられない痛みを右足に感じて目を覚ました。

痛みを感じた瞬間に閉じていた目をさらに強く固く瞑り、しばらく目が開けられなかったほどだ。

「ぅぅ……。」

くい縛った自分の口から小さな音が漏れ、痛みと気を少しでも落ち着けようと深く息をした。
大きく吸い込んだ瞬間ツンと消毒のような薬品のような匂いが鼻をつく。


……ここは、病院?


そーっと目を開けると私が寝ているベッドの周りは白いカーテンで覆われていて、ベッド横に立つポールから点滴のパックがぶら下げられ、チューブが私の左腕に続いていた。

……ああ。やっぱり此処は病院なんだ。

ぼんやり自分の状況を考えていると、目の前のカーテンがザッと勢い良く開かれた。


「起きたか」


そこで私に声を掛けた人物を見て驚愕した。

この人は、森で賞金稼ぎと戦っていた海賊のリーダー。
目の下の酷い隈と両腕の大きな刺青が特徴。私でも知ってる大型ルーキー。


「俺を知ってるようだな」

「な、なぜ……あなたが……?」


奥に鋭い光湛えたような視線を向けられ、小さく、震えるような声しか出ない。
しかし、目の前の男は消え入るような声でも問題なく耳に届いたようだった。


「此処が、俺の船だからだ」


彼の言葉に、思わず息を飲む。


「うちのクルーがお前を助けた。」


そう言って彼はパーカーのポケットから小さな黒い塊を取り出し、私の目の前に差し出した。


「お前の脚に入ってたものだ。うちのクルーのもんじゃねぇ。賞金稼ぎの流れ弾に当たったみてぇだな」


「……悪かった。巻き込んじまって。」


目の前の男、トラファルガー・ローは言葉を返さない私に向かって、表情を変えず一方的にそれだけ言うと、カーテンを閉めて部屋から出て行った。

私は、それを呆然と見送りながら、頭の中はパニックだった。

今、彼は……何と言った……此処が、俺の、船……?!

って事は、此処は海賊船なのか。
……しかも、あのハートの海賊団の!!

時折新聞を賑わすあの悪評高い海賊が、ただの通りすがりで巻き込まれた私を助けた……?

一体なんの目的で?攫って何処かに売られる……?
でも、それならこんなにしっかり治療をしてくれるものかしら……。

此処のクルーの誰かが私を助けたと言っていた。
確かに、あの森の中捨て置かれてたらきっと誰にも見つけてもらうことはなかっただろう。


……でも、今見たあの冷たい目の船長がそれを許したのが不思議で仕方がない。



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