「あんたらが早すぎんの自覚して」
ねぇ、硝子とひと足先に居たであろう彼女に問いかける。すると、私は大して待ってないからと余裕の表情。
「悟は素直じゃないからね。素直に寂しかったって言えないんだよ」
「はあ!?誰が……!」
ニコニコと夏油は愉快そうに五条を煽る。懐かしいやり取りに自然と頬が緩んだ。
「つーか、何で結婚すんだよ」
「は?」
「あ?」
謎の文句に何言ってんだコイツという目を向ければ、対抗心なのかメンチを切られる。なぜ結婚したことを咎められなければならないのか。
「うわ……」
「流石に私も擁護できないかな」
ドン引きする硝子に呆れの夏油。まさか私が生涯独身を貫くと思っていたのだろうか。
「そもそも、五条よりいい男と幸せになるって言ったよ」
「俺より良い奴なんていねーし」
「どう見ても五条よりいい男だよ」
「そうだね。少なくとも彼はクズじゃない」
傑は知らないだろ!と五条が八つ当たりをするが、気にも止めていない。
「そもそも付き合ってすらいないし、私のことそういう意味で好きでも無かったでしょ」
「…………」
「かわいそうに」
急に黙り込んだ五条の背中を夏油が摩って慰める。反論しそうな五条が素直に受け入れている所を見るに、もしやと思い至る。
「悟、ちゃんと言葉にしないといけない。自分より良い男は現れないと高をくくって胡座かいてたら教え子に掻っ攫われたって」
「全部言ってんじゃねぇか」
どうやらほんとうに五条は私のことが好きだったらしい。全くもって気付かなかった。少なくとも何かアプローチを掛けられていると感じたことは無い。一体いつから?いや、考えてはいけない気がする。
「大体さ、なに絆されてるわけ???有り得ないんだけど。どう見たって前々からオマエのこと狙ってたし、散々牽制したのにさあ。」
どうやら私の伴侶は五条に何かと絡まれていたようだ。言われてみれば、初めは五条の事を気にすることが多かったなと思う。ただそれは五条が亡くなってからそう経っていないこと、そして私の同期で何かと比較対象にしやすいからだと思っていた。良くも悪くも五条は目立つし印象深い人間だからだ。
「あーーー!次は絶対落とす」
「はいはい次なんて無いからね」
仮に輪廻転生はあっても記憶は無いんだよと無粋なことまでは言わなかった。しかしそれがフラグなんてものになるなんて誰が予想しただろうか。この記憶が走馬灯だったのか幻覚だったのか、分からない。しかし気付いた時には私は新しい生命として世に生まれ落ちていたのである。
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