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今日のような日がずっと続けばいい、と不謹慎ながら本気で思ってしまった。
「恵ー!おはよう!」
理由はとても簡単で、好きな人と2人で任務だからだ。
相手は、ちょうど今俺に手を振りながら駆け寄ってきた少し歳上のこの人。
そういえば、自分の恋心を認識したのはいつだっただろうか。
俺が小学生1年の時、なまえさんに初めて会ってから、
ずっと姉の津美紀と俺の面倒を見てくれた。
いつも明るくて、笑顔で接してくるから、成長して中学生の反抗期真っ盛りの時期に、
俺はアンタみたいにヘラヘラ能天気に生きてる訳じゃないんだよ
と思わず冷たいことを言ってしまったことがある。その時の何とも言えない悲しいような苦しそうな彼女の顔を忘れることが出来ない。
なまえさんがそんな顔をしたのは、
その時と、出会った直後だけな気がする。
記憶の片隅にある、初めて会った日、
「いや、ソックリだなと」
「?」
そう言った五条先生の隣にいた、なまえさんは、この時と同じように、驚いたような泣きそうな顔で俺の顔を見ていた気がする。
あれは一体どういうことだったのか、
未だに分からない。
そしてその後は、何となく気まずくなって、まともに話す機会が無くなった。
そんな中、あの事件が起きて暫く
なまえさんが寝たきりになって。
自分の言動にこれ程まで後悔したことはない。
なまえさんとこのまま話す機会がなくなってしまったら、というあの時の気持ちを思い出すと今でもゾッとするし、そんなことで自分の恋心を自覚したのも情けなかった。
本人は俺が思ってる程、深刻に思っていなかったらしく、その後意識を取り戻したなまえさんに謝ったら、びっくりされた。
それに、年齢のせいか恋愛対象として見られていないのがなかなかしんどい。
初めは2人でいることが多いから、五条先生が恋人なのかと思っていて、
「五条先生と付き合ってるんですか?」
と聞いたら
「?ううん、付き合ってないよ」
とあっさりと否定された。
「恵は?好きな子とかいないの?中学校の時の同級生とか、周りの子とか
そう言えばもうすぐ1年に女の子が合流するみたいだね、楽しみ!」
こう返された時点で見込みなしだ。
早く気持ちを伝えられたらいいのに。
今日だって、なまえさんからふとした瞬間する甘い香りが邪魔をする。
なんで、朝からこの人から五条先生を思い出させるような香りがするんだよ。
それが何を意味するか分からない程、俺は子供じゃない。
(付き合ってねーって言ってたのに)
任務自体はそんなに難しいものではなく、お互い、目的の呪霊を片付ける。
「お疲れ様、さすがだね、あっという間だもん」
「俺の相手より階級が上のやつさっさと片付けてる人が何言ってるんですか」
「だって私、恵のこと、すごく頼りにしてる…し…
…!」
ふと俺を見上げる彼女の元々大きな目が更に大きくなる。
「何すか」
「恵、背また高くなったね?!」
そう言って俺の頭に手を伸ばして、ほら!と嬉しそうに言う彼女を見ていたら
ダメだ。
俺はこの人のことが好きで好きで、仕方ない。
伸びた手を軽く引っ張ってそのまま腕の中に閉じ込めた。
「恵〜?」
突然の俺の行動に訳が分からず頭にハテナを浮かべながら俺の腕の中に収まるなまえさんにお構い無しに伝える。
「見ててください
俺、もっと強くなるんで」
「?うん、これからも頑張ろうね」
恵は私よりもっともっと強くなるから大丈夫だよーと呑気に返されたが、
とりあえず、アンタはその鈍感っぷりどうにかしてくれ。