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「オレはガウリイ=ガブリエフ。宜しくな!」



改めて自己紹介を再開し始めたのは、整った顔に金髪の青年───ガウリイさんだった。

彼は呪文で吹っ飛ばされたにも関わらず、何事もなかったように笑っている。

まぁ、リナさんが使ったのは殺傷能力がほとんど無い爆煙舞(バースト・ロンド)

致命傷には至らないだろが……。

それでも笑っていられるのは凄いと思う。



「いやぁ、まさかリナの名前を聞いて友好的に話してくる人がいるとは思わなくて……」

「悪かったわねっ!」



ドゴッ!



「……まぁ、リナさんは色々有名ですから」



頬に一筋の汗を流しつつ、私はリナさんの鉄拳を受けたガウリイさんから視線をそらした。

あまり深く関わらないでおこうと肝に銘じ、見遣った先。

そこには黒髪の少女の姿。

彼女は目が合うと、どこか誇らしげに名乗りを上げる。



「アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンです!」

「宜しく……」



私は微笑み……固まった。



「……セイルーン……さん?」

「はい!」



確か聖王都の名前もそんな名前だったような……。

いや、まさかそんな。

……ただの偶然……ですよね?



どう反応して良いか分からずリナさんを見れば、何故か彼女は沈痛な面持ちで答えてくれる。



「あー、こう見えてもアメリアは第一王位継承者の娘、第二王女なのよ」

「……そうなんですか」



………………ん?

第一王位継承者の娘……?



「と言う事はアメリアさんのお父さんが王子さ……」

「で、そっちが……」



その事にあまり触れて欲しく無いのか、リナさんはそのまま白尽くめの男の人へと視線を移した。

先程までフードとマスクで覆われていた顔は、今はそのどちらもが外され曝されている。

そこにあるのは意思の強そうな瞳と、岩の様な皮膚……?



「ゼルガディスだ」

「宜しくお願いします」



一瞬それについて尋ねてみようかとも思ったけれど、マスクで人目を避けていたと言うことは、自分の意思に反する姿なのだろう。

私は失礼にならない様、微笑み挨拶を返した。

するとゼルガディスさんは「あぁ」と一言だけ告げ、そっぽを向いてしまう。



「………………」

「あぁ、照れてるだけだから気にしないで」

「…………照れ屋なんですね」

「違う!」



即座に否定するゼルガディスさん。

それじゃあと、私は首を傾げる。



「恥ずかしがり屋さん?」

「一緒だろうがっ!」



……クールそうに見えて実はツッコミ属性みたい?



「んでもって……」



リナさんの言葉に促され、私は最後の一人に眼をやる。

すなわち黒い神官姿の彼に。

彼女は笑みを浮かべ、そして。



「そっちの部屋に着替えに行かない?」

「はい?」

「リナさぁぁんっ、僕だけ仲間はずれなんてあんまりですぅ〜」



いきなりな彼女の言葉に、私は間抜けな声を、そして(はぶ)かれた彼は情けない声を聖堂に響かせた。



「んな事言ったって、あんた最初っから仲間じゃないじゃない!」

「あ、それもそうですね。いやぁ、僕としたことがつい。はっはっはっ」



………………。



「あの、それじゃあ何だって一緒に居るんですか?」



仲間じゃないとするならば一体何だと言うのか。

見たところ依頼人と請負人という感じでもないのだが……。

そんな釈然としない私の内情を知ってか知らずか、彼は明るく答える。



「上司命令ってヤツですかね」

「ま、悲しき中間管理職ってところみたいよ」

「はぁ……」



笑い事としてとらえる彼らに、私は曖昧な返事を返す。

かなり変わった人達らしい……。



「それでその……お名前は……?」

「おっと、これは失礼」



私が尋ねると、彼はうやうやしくお辞儀をして言った。



「僕は謎の神官(プリースト)、ゼロスと申します。以後お見知り置きを、ユウさん♪」



───先程からの笑顔を絶やさぬままに。

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