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───何となく。

本当に何となくだけど、ここにきて世界を見て回る意味が分かったような気がする。

おそらく一番私に欠けていたもの。

それを教える為に『彼女』は過去へ───。

リナさん達が居る時代へと私を使わせたのだろう。

彼女達は自分に正直で、信念を曲げたりしないから。

多少強引な手を使っても、望む未来を手に入れる為に行動するから……。

旅に出る前は何気なく時が過ぎ、日々が過ぎ、未来の事など考えもせず望むものも無かった。

でも今は───。



水の中から上がった私は岸に座りながら隣に佇む彼を見て思いを馳せる。

周りの事もあるし、難しいかもしれない。

でも、この出会いを無意にしたくない。

諦めたくない───。

そんな事を考えていると、ゼロスが手を差出してきた。



「?」

「そろそろ帰らないと風邪ひいちゃいますよ」



言ってゼロスは空いている手の方でポリポリと照れくさそうに頬を掻く。

その様子を見ながら私は問いかけた。



「送ってくれるの?」

「えぇ、ここで一人で帰したと分かったらそれこそ後が大変ですし、何よりユウさんともう少し一緒に居たいですし」

「じゃあ、お言葉に甘えちゃおうかな。そろそろ留守番役も音を上げてる頃だろうし」

「……あ、やっぱりそこはスルーなんですね」



何やらブツブツ言っているゼロスは取りあえず放って置き、私は目の前の手を掴み、彼に笑いかけた。



「じゃあ、帰ろっか」

「……はい」



それに応えるようにゼロスもニッコリと優しく微笑んでくれる。

こんな風に笑う魔族は彼くらいのものだろう。

だけど、それが嬉しくて。

心が華やいで。



私は手を引かれながら、

微笑みながら、

そんなゼロスの背を追いかけた。





















共に歩む。



簡単なようで難しいそれは、この先どうなるか分からない。

相対するかもしれない。

別れが訪れるかもしれない。

でも、それでも。

大切な人と過ごせる時間があると言うのは幸せだと思う。

その幸せが続くように、幸せに繋がると願い、祈り、行動する。

───後悔は無い。



それは自分で決めた道だから───。





それが私の幸福論。



END



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