「雨、止みませんね」
「止みませんねぇ」
アメリアさんの言葉に答えながら、私は教会の外へと視線を移した。
窓の向こう側は黒い空と暗い森。
そして雨が延々降り続いている。
一時は雨脚が弱くなったりもしたのだが、また直ぐにどしゃ降りになるという事の繰り返し。
これでは外に出ても、瞬く間に濡れ鼠と化してしまうだろう。
まぁ、急ぐ用事がある訳ではないので、その点は心配ないのだけれど。
持て余した時間だけはどうしようもない。
窓の外を眺めながらボンヤリとそんな事を思っていると、横手から苛立たしげな声が上がった。
「ったく、これじゃあ盗賊いぢめも出来ないじゃないっ!」
「……盗賊ってイジメるような対象でしたっけ?」
「だって圧倒的な力でねじ伏せても、何処からも文句がこないじゃない」
額に汗しながら訊ねると、リナさんは自信満々そう答える。
隣にいるお人好しそうな青年、ガウリイさんは何か言いたそうにしているが……。
結局何も言わずに頭をポリポリと掻くだけに終わる。
きっと言っても無駄だと悟っているのだろう。
リナさん達と出会って一日しか経っていないけど、その辺の人間関係……というか力関係はものの数分で理解させられた。
「ところで、ユウ」
「はい?」
リナさんに呼ばれ、再度そちらに目をやると彼女は言いにくそうに。
けれど、何か聞きたそうにコチラを見ている。
私は小首をかしげながら、言いやすいように彼女を促した。
「どうかしました?」
「その……気のせい……かもしれないんだけどさ」
「?」
さっきとは打って代わって自信無さげに言う彼女は、視線をさ迷わせながら、それでも次の言葉を紡ぎだした。
「……前に何処かで会ったこと無い?」
───と。
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