(1/3)

「雨、止みませんね」

「止みませんねぇ」



アメリアさんの言葉に答えながら、私は教会の外へと視線を移した。

窓の向こう側は黒い空と暗い森。

そして雨が延々降り続いている。

一時は雨脚が弱くなったりもしたのだが、また直ぐにどしゃ降りになるという事の繰り返し。

これでは外に出ても、瞬く間に濡れ鼠と化してしまうだろう。

まぁ、急ぐ用事がある訳ではないので、その点は心配ないのだけれど。

持て余した時間だけはどうしようもない。

窓の外を眺めながらボンヤリとそんな事を思っていると、横手から苛立たしげな声が上がった。



「ったく、これじゃあ盗賊いぢめも出来ないじゃないっ!」

「……盗賊ってイジメるような対象でしたっけ?」

「だって圧倒的な力でねじ伏せても、何処からも文句がこないじゃない」



額に汗しながら訊ねると、リナさんは自信満々そう答える。

隣にいるお人好しそうな青年、ガウリイさんは何か言いたそうにしているが……。

結局何も言わずに頭をポリポリと掻くだけに終わる。

きっと言っても無駄だと悟っているのだろう。

リナさん達と出会って一日しか経っていないけど、その辺の人間関係……というか力関係はものの数分で理解させられた。



「ところで、ユウ」

「はい?」



リナさんに呼ばれ、再度そちらに目をやると彼女は言いにくそうに。

けれど、何か聞きたそうにコチラを見ている。

私は小首をかしげながら、言いやすいように彼女を促した。



「どうかしました?」

「その……気のせい……かもしれないんだけどさ」

「?」



さっきとは打って代わって自信無さげに言う彼女は、視線をさ迷わせながら、それでも次の言葉を紡ぎだした。



「……前に何処かで会ったこと無い?」



───と。

<<>>
[ 戻る ]


ALICE+