大きな街に近づくにつれ、人の流れは多くなる。
街の入口ともなると、混雑で連れとはぐれる事も珍しくない。
そんな道行く人の間をすり抜けて、リナさん達からはぐれないように歩いていた私は───ふと。
先程まで隣に居たはずの連れが居ないことに気づき、後ろを振り返った。
「……ゼロス?」
見ると彼は数メートル離れた所に佇んでいる。
その視線は何かを追っていて……。
「どうかしたの?」
「っあ、いえっ」
「?」
彼の元に歩み寄り、ゼロスの視線の先を追ってみたが、それは彼自身の手によって遮られてしまった。
「すみません。リナさん達に置いてかれても困りますし、行きましょうか」
慌てて手を振るゼロスを不審に思いつつ、何でもないとニッコリ笑う彼にそれ以上尋ねる事も出来ず、私は「そうね」と返事をして再び歩き出した。
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