「さて、単刀直入にお聞きします。ユウさんは何者なんですか?」
爽やかな風が通り抜けるカフェテラス。
ゼロスと向かい合わせに座り、注文した物が来たところで彼はそう切り出した。
「……これはまた……自分の事は棚に上げて、随分と直球な質問ですね」
頼んだ香茶を飲みながら、私は苦笑する。
対してゼロスは、素知らぬ顔でホットミルクの入ったカップを傾けていた。
「んー、そうですね。ゼロスが何の目的でリナさんに近づくのか、教えてくれればお話しします」
「それは出来ません」
「そ? なら私も話しません」
軽く肩を竦め、私は再びカップに口づける。
二人の間に落ちる沈黙。
遠くで聞こえる爆発音。
……ってまさか。
またリナさん達が何かしてるんじゃあ?
そんな不安を他所に、ゼロスは諦めたように溜め息を吐いていた。
「ふぅ……この際やむを得ませんね」
言ってゼロスは真っ直ぐ私を見て、再度質問を投げ掛けてくる。
「では先程の問いに答える代わりに、ユウさんの目的を教えて頂けませんか?」
「良いですよ。ゼロスが約束をちゃんと守ってくれるならね」
「勿論です」
その言葉に、自分の使命と呼ぶには仰々しい目的を話すことにした。
まぁ、何か裏がありそうな感じもするが、折角ゼロスが教えてくれると言うのだ。
こんなチャンスは滅多に無い。
私はカップを置くと、真っ正面から彼を見据え、話始めた。
「私の目的は二つ」
言いながら指を一本立て、
「一つは世界を見てまわる事。それからもう一つは……」
「もう一つは?」
スッ……と瞳を開けるゼロスと目が合う。
私は微笑し、そして立てた人差し指を唇に押し当て答えた。
「ナイショ♪」
「……………………………………………えぇっ!?」
一瞬固まった後の反応に、私は更に笑みを深くした。
ゼロスが何を考えているのか解らない以上、全てさらけ出してしまう訳にはいかない。
納得出来ずにいる彼に、私は淡々と言い放った。
「だってゼロスの質問は『私の目的は何か』って事であって、『何と何なのか』ではないでしょう?」
「それはそうですが……まさか二つあるとは思いませんでしたし」
「でも教えたことは事実だし。ゼロスにもちゃんと答えてもらいますよ?」
「……まぁ……約束は約束ですからね。仕方ありません……約束通りお教えしますよ」
ゼロスは断念したのか、そう前置きすると手をテーブルの上で組み、話始める。
───これで。
これでゼロスの目的を知る事が出来る。
リナさん達といる以上、ある程度の危険は覚悟しなければならないし、出来る事なら回避したい。
本当は別行動するのが一番安全なんだろうけど……。
見知らぬ土地で一人探すより、リナさん達と探す方が効率が良いのは確か。
ましてや彼女達が異界黙示録を探しているのならば尚更だ。
一緒に居るのが得策。
その為にもゼロスの思惑は知っておきたい。
私は耳を傾け……、
「合成獣の作り方が書いてありました」
「………………は?」
その一言に。
今度は私が固まる番だった。
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