別れ行く二組を見送りながら、私はふと思う。
成り行きとは言え、何で一緒に行動してるんだろうと。
かと言って異界黙示録の次の当てもないし。
どう動くにせよ、まずは情報を集めなくちゃならない。
その為には人数は多いに越した事はない訳で。
そうなるとリナさん達と行動を共にするのは都合が良い……はずなのだが。
「…………はぁ」
これじゃあ先が思いやられるなぁ。
本日二度目の溜め息に、自然と頭が垂れた。
すると───。
「溜め息なんてついてどうしたんです?」
その声に、私の眉間は寄せられた。
顔を上げれば何故かそこには黒衣の神官姿。
「……ゼロス、さん……」
「おや? 呼び捨てでは無いんですね」
……………………。
「……ゼロス。何しに来たんですか?」
「何、と言うほど大した事ではないですが。少しユウさんとお話しに」
「へー、そう……」
にこやかに、相手に不信感を与えない笑顔で答える彼に、私はムスッと答えた。
「あれ? 何で怒ってるんです?」
「……別に。怒ってませんよ。何となく憤りを感じるだけで」
「………………」
そう。
私との話が彼にとって『大した事無い』からって怒ってる訳じゃない。
………………絶対に無い。
「この前は随分な扱いを受けましたからね」
「そうでしたっけ?」
「そうでしたとも」
困った様に笑うゼロスに、私は頷いて見せた。
この前は随分と振り回されたのだ。
走り回って疲れるは、寝不足にはなるは、無視はされるは、睨まれるは、おまけに写本は……。
と、そうだ。
「結局あの写本には何が書いてあったんです?」
「あぁ、そう言えばユウさんも異界黙示録を探しているんでしたっけ?」
てめぇ、こんにゃろ。
それこそ大した問題では無いと言うような態度に、私はジト目で彼を見やり言う。
「えぇ、そうなんですよ。それをどこかのエセ神官が燃やしてくれちゃって、困ってたんです」
「そうなんですか。それは大変でしたねぇ」
「大変なんですよー」
「心中お察ししますよ」
「察せるなら中身を教えてくれても良いんじゃないですかね?」
「ところで立ち話も何ですから、どこかへ入りませんか?」
…………コイツ。
さらりと話題を変える彼に私は呆れ果てる。
「……………………」
「何か?」
「いい根性してますよね」
「えぇ、よく言われます♪」
否定はしないのか。
周りの人達の苦労に同情しつつ、これ以上の問責は無理と諦め、私は気持ちを入れ換える為に小さく息を吐くと、うつ向いていた顔を上げた。
「で、どこに行きますか?」
「そうですね、出来ればリナさん達に邪魔されない所が良いですね」
「あぁ、それなら大丈夫だと思います」
ニョヘロンとニャラニャラでそれどころじゃないだろうから。
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