青い空。
青い海。
白い雲と波しぶき。
「海だーっっっ!」
「イヤッホー!」
「待って下さいよ〜っ!」
水着に着替えたリナさん、ガウリイさん、アメリアさんは、
いつも以上に高いテンションで、波間へと消えていった。
一方、荷物番として残っているのは私とゼルガディスさんと、そしてゼロス。
日差しは強いけれど、パラソルの作り出す影と強めの風のおかげで、
砂浜はそれなりに快適だった。
「ユウさんは、泳がないんですか?」
不思議そうに問いかけてくるゼロスに、私はぼんやりとしたままで答える。
「……うん」
「じゃあ、なんでそんな格好をしているんだ?」
次いで問いかけてきたのはゼルガディスさん。
そんな格好と言われる程、おかしな格好はしていないはずだけど。
「……海で水着って、普通じゃないですか?」
「だが、泳ぐつもりはないんだろう?」
ゼロスがこくこくと大きく頷いているのがおかしかった。
普段は、仲が悪いクセに。
「……暑いから」
「そ、そんな理由ですか…?」
「悪い?」
「…いえ、悪くはありませんが…」
何か言いたそうなゼロスを無視して、私はゴロリと横になる。
「ユウさん?」
「……おやすみ」
「こ、ここで寝るつもりですか!?」
何故だかうろたえているゼロスを横目に、私は目を閉じた。
今の私は寝不足なのだ。
あまりの暑さに昨夜は寝付けなかったから。
でも、今夜もきっと暑い。
今のウチに寝ておかないと、明日からの旅に支障が出てしまう。
そう思って万全の体制で眠りにつこうとしているのに。
何故だかゼロスと、ゼルガディスさんまでもが、私の邪魔をする。
「ユウ…せめて、その…なんと言うかだな…」
もごもごと歯切れの悪いゼルガディスさん。
「ユウさんっ!ダメです。起きていて下さい」
焦ったように声を荒げるゼロス。
私は眉間に皺を寄せ、うっすらと目を開けて二人を見た。
「二人とも…」
「はい?」
「なんだ?」
「…見てるだけで、暑苦しい」
私の言葉に、二人は固まった。
でも実際に、いつも通り真っ黒の神官服で手袋まではめているゼロスと、
白だけど、人目を嫌ってフードとマスクで顔を覆っているゼルガディスさんは、
明らかに周囲から浮いている。
『………』
納得したのか、
それとも納得出来ないからなのか。
とにかく静かになった二人に満足して、
私は再び目を閉じた。
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