「このネックレスなんか、ユウさんに似合いそうですね」
「…随分と重そうですけどね」
「付けてみませんか? さぁ、後ろを向いて下さい」
「いえ、いいです」
「そんな遠慮しないで。僕とユウさんの仲じゃないですか」
「遠慮じゃないです。本当に結構です」
「シクシクシク…ユウさんが冷たいっ…」
「ちょっとアンタ達っ!! マジメにやんなさいよっ!!」
目の前の一方的なバカップルに、あたしはたまらず声を上げた。
場所は、とある洞窟の中。
お宝があるという噂を元に、あたし達はここにやってきたのだった。
そのお宝が異界黙示録だという可能性は低かったけれど、
そこはそれ。
お宝さえあれば路銀の足しにもなるし、
写本そのものがなくても手がかりくらいはあるかもしれないと、
全員でくり出して来た訳だけど。
……本当に至極普通のお宝しかなかった。
でもまぁ、せっかくだからそれぞれで物色して運び出そう、
と、あたしがそう提案すると何故か全員が露骨に嫌な顔をして、
そして、とうとう遊び始めたゼロスとユウに、あたしは怒鳴り声を上げたのである。
「そうは言いますが…お宝もお金も、僕にとっては無用の長物ですからねぇ」
興味がない、ときっぱりはっきり言うゼロス。
「私も旅の費用は足りてますし、これ以上は邪魔になるだけなんですよね…」
困った顔で、告げるユウ。
「異界黙示録以外に興味はない」
「これ、元々はどなたの持ち物なんでしょうか?」
「……Zzzz」
次々と否定的な本音を吐き出す面々に、あたしのこめかみはヒクヒクと痙攣していた。
「あ・ん・た・ら・ねぇ〜! あーそうっ! わかったわよっ! どんなお宝が見つかったって、分けてなんかあげないんだからねっ!」
「リ、リナさん…」
「元々分けるつもりなんかないだろうが…」
「……Zzzz」
口々に勝手な事を言うみんなに、あたしは一人背を向けた。
まったくもうっ!
一体、誰が旅の資金を調達してると思ってんのよ!
夜な夜な盗賊団をぷち倒したり、
廃墟と化した遺跡のお宝をこっそり世の中に還元したりという、
あたしの地道な努力の上で成り立っている旅だってのに!
それを、あたしだけが『金の亡者』みたいに言っちゃってさ!
怒りをぶつけるように、1人でザクザクとお宝の山を掘り始めると、
ユウが隣にやってきた。
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