「見定めるだけなら手伝いますよ。…運ぶのはゴメンですが」
そう言って座り込むユウに、あたしはぷいっと横を向く。
「…いいわよ。無理しなくて」
「まぁ、そう言わずに」
ユウはお宝を手に取ると、あたしに小さく微笑んだ。
彼女…ユウはふらりと現れ、いつの間にかあたし達の旅に加わっていたのだけれど…
イマイチ分かんないのよね。
自分の事をあまり語らず、謎が多いし、
とことんマイペースなクセに世話焼きで、
面倒くさがりなクセに厄介事に首を突っ込みたがる。
そして、なにより不思議なのは、
ゼロスを『魔族』と知りつつ仲が良いという事。
いい加減、魔族慣れしているあたしだって、
ゼロスは胡散臭すぎて、とてもじゃないけど気は許せない。
でも、ユウは…
ゼロスと一緒にいる時に、もの凄〜くリラックスした表情をしているように見えるのは、
きっと気のせいじゃない。
「……本当に謎よね」
「何がです?」
キョトンとした顔で覗き込んでくるユウに、あたしは慌ててパタパタと手を振った。
「なんでもない、なんでもない。こっちの事」
まぁ、こうやってなんだかんだ言いつつも、あたしの言う事に付き合ってくれたりするから。
ユウはすっかり仲間として、あたし達に溶け込んでいるのだけど。
現に今も、協力するユウの姿を見たせいか、
他の面々も渋々ながら、お宝を手に取り品定めを始めていたりする。
……寝ているガウリイを除いては。
「ったく! ちょっとは気を遣えっていうのよね! あのクラゲ!」
気持ち良さそうに眠るガウリイを起こそうと、立ち上がったその刹那。
あたしは、とっさに身を翻していた。
それは、勘ですらないモノ。
命をかけた闘いを経験した者にしかわからぬ、本能のようなモノ。
「……くっ!」
バランスを崩し、座り込みながら着地したあたしの頭上で、
クツクツと喉を鳴らすような笑い声がした。
「ほぅ、なかなか鋭いな」
聞き覚えのある声と、その内容に違和感を覚えて顔を上げると、
そこには歪んだ笑みを浮かべるユウが立っていた。
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