沖田が初めて斬った日
凍るような寒い日だった。
土方は口に出さなかったが人を斬った経験があるのだと沖田は確信していた。
刀の柄を握る手に力が入る。今なら引き返せる。このまま刀身を抜けばもうやるしかない。
無意識に視線が土方の姿を探した。土方は少し離れた小屋の影に身を潜めていた。こちらの視線に気づいたようで、じっと見つめ返してきたが突き放すような冷たい視線だった。
と、隣にいた近藤が沖田の左肩を掴んだ。
「やるしかあるめぇよ。」
短い言葉の中に近藤の覚悟が見えた。
肉を切り骨を断つ感覚がまざまざと思い出された。
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