「どうも近くに仲間がいると反応するみたいなんだよ」
「じゃあ近くに誰かがいるんだ」
「どっちの方角?」
「俺はこっちの方角」
「俺は、こっちだな」


 タケルの問いに太一は右を、ヤマトは左を指した。目の前は、確かに二つに道が別れていた。


「じゃあ二手に分かれて探そうぜ」
「そうだな。俺はタケルと行く」
「じゃあ丈、栞。俺と一緒に来いよ」
「でもこのまま会えなくなったらどうするんだ?」
「ならあの山のふもとで落ち合おうぜ」
「ああ。分かった。そうしよう」


 返事をするヤマトの声は、明るかった。しかし、それとは相反して、タケルは顔色を曇らせる。以前、離れ離れになったトラウマが、彼の心を包み込んでいた。


「でも…本当にまた逢えるかな?」
「ああ会えるさ。俺たち仲間だからな!」
「ああ!必ずまた逢える!」
「そうだよな。仲間だもんな、僕たち」


 彼らの心には、きちんと『仲間』という二文字が刻み込まれた。会えないなんてことはない。絶対にまた会える。――彼等は『選ばれし子供たち』――そして、八つの心によって繋がった『絆』が在る限り。


「行こうぜ、丈、栞!」
「ああ!」


 栞は駆けだした二人のあとを、――追わなかった。否、追えなかった。

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