「メガフレイム!」「フォックスファイヤー!!」
同じようにガルルモンも参戦する。「メガブラスター!」「ハープーンバルカン!!」「チクチクバンバン!!」カブテリモン、イッカクモン、トゲモン、彼らの攻撃を食らっても、デビドラモンはけろりとしていた。体がもとは石像だからだろうか、硬くできているのだろうか。もう一度攻撃を加えようとグレイモンが口を開いた瞬間――彼等は動きを止めた。
「グレイモン!?どうした!?」
表情は苦しげに歪められている。「目を、見ていたネ」ぽつり、とイヴモンが眠そうな声で呟いた。「目?」問い返したのはヤマトで、すぐにデビドラモンへと視線を移す。
妖しげに染め上げられた深紅の瞳――「まさかあの赤い目を見ると動きを止められてしまうのか!?」「なんだって!?」次いで太一も急いでデビドラモンへと視線を移した。
グレイモンたちは自分達を縛り付ける呪縛から逃れようと必死にもがくも、体はうんともすんとも言わず、口から低い咆哮が漏れるだけだった。まるでその様子を嘲笑うかのように、デビドラモンは強靭な鋭い爪を彼等に振り落とした。肉を抉られるように刻み込まれる痛みは、とても耐え切れたものではなくて、彼等は一様に悲鳴をあげた。「いいぞ!やれやれー!」自分では敵わないにしても、自分の心を傷つけた子供たちに仕返しが出来る。ピコデビモンは高みの見物をしていた。
悲鳴が耳に届く。刻み込まれる瞬間が脳裏に焼きつけられる。目の前が揺らぐ。―――けれど。泣きたくなるのをこらえて、変わりに指を組んだ。
「やめて…っ!」
淡い光は、すべてを包み込む優しさであったのだから、彼らの動きを拘束していた呪縛は砂のように消えて行くのは当たり前だった。動きを取り戻したカブテリモンがデビドラモンのしっぽを掴んで回転させてから投げ出し、隙を見たグレイモンのメガフレイムによって炎が彼の身を包み込む。瞬時にして、一体目のデビドラモンの体は灼熱の炎の中に消え去った。
「おっと遅れちゃう!」意気揚々と閉じかけたゲートの前へと現れたピコデビモンだったが、更にその前に立ったパタモンの気迫あふれる「エアショット!!」によって吹き飛ばされてしまった。「早く!!」パタモンが叫んだ。
しかしいまだ立ちふさがるニ対のデビドラモンが彼等の行く手を阻んだ。「太一!!」直ぐ様グレイモンが一体のデビドラモンに組みついた隙を見て、子供たちはゲートに向かって駆けだした。あと、何メートルもない距離に、ゲートが、現実世界がある!
「っ!あぶないっ!!」
しかし事はそう上手くは運ばない。光子郎の叫び声に、先に駆けだした太一と空は立ち止まり、唇を噛みしめた。もう一体のデビドラモンが、忠実にゲートを守るため、彼らの眼前に舞い降りたのだ。
「邪魔するな!!」
―――…太一の鼓動が、強く波打つ。
「8人目が…っ、俺たちの世界が!!」
―――…聞こえる。太一の、声。
「一馬…!!」
―――…栞の、声。
カッとグレイモンの瞳が赤く染まる。太一の胸から溢れだすオレンジ色の光に、呼応した。彼の手の中で激しくデジヴァイスが振動、紋章が彼の勇気を呼びよせる。
データが天高くより舞い降りる。グレイモンの体を、幾重にもデータが覆い被さった。
「グレイモン超進化ァァ!!――メタルグレイモン!!」
「やったあ!!」
太一の手から溢れだすオレンジ色の紋章の光は、果てしなく暗い地下室を照らし出す。眩しさに目を奪われたデビドラモンは、「ギガデストロイヤー!!」完全体と成り果てたメタルグレイモンの攻撃により、一瞬で塵となった。もちろん力を使い果たしたメタルグレイモンは退化をし、太一は直ぐ様コロモンを抱えた。
back next
ALICE+