「…アグモンが可哀想…」
「栞…」
「今の八神くん、…気持ちだけが先走っちゃってる、」
そういって、栞は再びイヴモンの身体に顔を埋めた。
「仕方ないけれど、ハラ、減ったなぁ……って、ん!?」
その時だった。丈が声をあげながら、胸元にぶら下げていたタグを取りだした。それは青い光を放っている。
「お、おい!みんな!僕のタグが…何かに反応してる!」
「近くに紋章があるんですよ!!」
「え、丈、本当なのか!」
「ああ!太一、悪いけど、近くを単眼鏡で見てくれ!」
「オッケー!」
太一は立ち上がると、懐からお馴染みの単眼鏡を取り出し、覗き込んだ。その右目には、少し離れたところに、建物のような大きいものがあるのを映し出した。
「何かあるぞ!…建物のような、…大きいぞ!」
その言葉に、丈はパアッと顔を明るくさせて、砂漠上を駆けだした。もちろん、下も前も見てなんかいない。子供たちが追いついた時には、丈はケーブルのようなものに引っかかっていた。太一が呆れたように丈を見やる中、ヤマトが丈に手を差しだしたので、丈はその手に捕まって立ち上がった。
「何やってんだよ、丈」
「だ、大丈夫ですか…?」
「あ、ああ…。それにしても、なんでこんなところにケーブルが…?」
「ったく。こんなことしてる場合じゃないだろ!さっさと丈の紋章手に入れに行くぞ!言っとくけど、丈の紋章手に入れたらとっとと出発するからな」
「はーい…」
四の五の言わせぬ太一の気迫に、子供たちはまたしてもOKの返事をだすことしかできなかった。
(このケーブル…)
再びバックの中に隠れていたイヴモンの瞳が、きらりと光る。ひとつの確信を持ってから、勢いよくバックから飛び出した。
「栞、」
「…え?なに?」
「…気をツケてネ。もシかしタラ、」
「栞、イヴモン!何やってんだ、早く行くぞ!」
「え、あ、うん…!行こう、イヴモン」
「…うン」
深いため息をついてから、イヴモンは再び栞のバックの中に飛び込んだ。
17/07/26 訂正
10/02/28 - 10/11/27 訂正
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