「今がチャンスよ、バードラモン!」
空の声を聞き、バードラモンは更に高く舞い上がる。
「メテオウィング!!」
「コ、コカ〜!」
「コカトリモン、飛べないみたいだね」
「彼の翼は退化してルからネ。ヤるなラ、今のウちかナ」
「ミミちゃん!」
「ええ!パルモン!チャンスよ!」
「分かったわ!…パルモン進化!!―――トゲモン!!」
バードラモンがメテオウィングでコカトリモンを攻め立て、彼が避けようと一歩後ろに下がった時、彼が太一たちから奪った二つの紋章が音を立て地面に落ちた。
「イヴモン、!」
「分カってル!」
この太陽下の中では考えられないくらいのスピードで、イヴモンはその紋章を取り、手早く栞に渡した。
その様子を目の端に捉えていたトゲモンは一気に踏み込み、コカトリモンに向かって拳を振り上げた。
「トゲトゲ、バン!」
「バーン!」
その素早い攻撃に、コカトリモンは避けることができず、真正面から受けてしまった。そのままの勢いでコカトリモンは吹き飛ばされてしまった。
「やったあ!」
「ありがとう、栞」
「…答え、見つけられたから」
穏やかに笑う栞を見て、空も安心したように微笑んだ。それから彼女たちはタオルを巻きつけていただけのことを思い出し、すぐさま着替えた。その途中でも、三人は笑いながらたくさん話をした。
他の子供たちを助けて甲板に向かうと、ヌメモンが一斉に船から逃げていくのが見えたので、この船が危ないことに気づき、急いで脱出した。
そして再び、熱い砂漠を歩くことになった。せっかく汗が引いたはずなのに、再び流れてくる汗を鬱陶しく思うも、何故かすっきりした気分だった。
栞は一歩引いたところを歩いていたが、意を決したように、少し前を歩く太一の服の袖を引っ張った。太一は驚いたように目を見開いたが、すぐに気まずそうに顔をそむけ、ただどうしたと栞に問いかけた。
「…ごめんね、」
「だから、もういいって、」
「ううん…。私ね、気づいたの。だから、そのけじめ。もう、この件に関してはうじうじしないから。最後の、ごめん、だから」
「栞、」
「コロモン、アグモンに進化できてよかったね」
太一も、何か言わなければいけないと思っていた。先に越された気がしたが、久しぶりに見た栞の笑顔に、心の底からうれしくなった。
「…ねエ、何か音が聞コえなイ?」
少しだけ、ほんとうに少しだけ、眉を寄せたイヴモンが、太一と栞の間に割り込んで入ってきた。傍で見ていた空が、分かりやすいとつぶやいていたのは、誰にも気づかれなかったが。
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