「君たち選ばれし子供なんでしょ?あぶなっかしくて見てられないッピ!そんなじゃ、せっかく紋章とタグを手に入れても宝の持ち腐れだッピ!」
「かわいくなーい、このデジモン…」


 ミミの言葉は聞こえていないのか、はたまた聞いていないふりをしているのか、ピッコロモンはミミの手の中でくるりと後ろを振り返った。


「デジモンたちもデジモンたちだッピ!君たちみんなたるんでるッピ!努力が足りないッピ!根性がないッピ!」
「うるさいヤツだな…」


 困ったように眉を寄せたヤマトが頭を掻きながら言ったのを先頭に、「努力きらーい」「どうせオイラ根性ないよ…」というネガティブな発言が飛び出した。しかし、ピッコロモンの耳は都合のいいことしか聞こえないらしく今の発言は聞かないふりをして、にんまりと笑った。


「よって君たちみんな、今日から私の下で修業するッピ!」
「修業!?」
「なんですの?それ…」
「特にそこの君!」


 決まったというように、ピッコロモンは持っていた杖で太一を差した。当の本人は呆けた顔をして、自分を指差した。当たり前のことを聞くなと眉を寄せたピッコロモンを見て、太一はあわてて顔をいつも通りに戻す。


「君とアグモンは重傷だッピ!スペシャルメニューで特訓だッピ!」
「ス、スペシャルメニュー?」
「とっくん?」

「そうと決まればさっさとついてくるッピ!」


 拳を振り上げた彼を、未だ信じることができない子供たちは、顔を寄せ合ってひとまず話し合うことにした。光子郎がどうするかを尋ねれば、うーんと唸ったのはほかの子供たちだった。栞は振り返り、ピッコロモンの姿を瞳に入れた。それから小さく笑った。


「大丈夫だと思う、よ」
「本当に信用できるのか?」


 疑い深くなるのは仕方のないことだった。そんなヤマトに笑いかけると、再びピッコロモンを振り返る。その反動で、頭に乗っていたイヴモンが振り落とされた。まさか二回も栞が振り返るとは思ってもみなかったのだろう。少々眉を寄せながら、イヴモンはごほんと咳払いをして、肩を(どこにあるかは不明だが)すくめた。

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