「大丈夫…だ、よ…」


 自分の思いが、伝わればいい。
 力強く抱きしめれば、更にじゅうと焼ける音が聞こえたけど、どうでもよかった。

 ―――…私はね、一人じゃないんだって最近学んだの。みんなが、傍にいてくれる。一人で解決できないことはね、みんなで解決すればいいんだって。そのために、仲間が、友達がいるんだって。ねえ、あなたは一人なの? …許されないって誰が決めた?大丈夫、あなたは許される。だって、あなたがいたって世界は輝くから。あなたがいることで、世界は違った色を見せるから。だから、あなたは許される。それでも誰かがあなたを非難するなら、私が、あなたを許してあげる。だって私は。私は。


「―――この世界の守人だから…」


 ふわり、と風が吹いたと思ったら、それは再び突風に変わった。
 分かった。 あれが、勇気なんだ。 これが、栞の勇気なんだ。 こんなにも、簡単なことだったんだ。――やっと、分かった。


「おい!」


 彼の声が聞こえたけれど、目を開けていることができず、思い切り瞑った。ごうごうという突風音だけが栞の耳に残った。
 きっと彼は、兄によく似た彼は狩人。だから。だから兄は、兄はきっと――。





「…、 栞、」


 目をゆるゆると開けると、心配そうな顔をしたイヴモンが目の前で浮いていた。


「イヴ、モン…?」
「ヨかっタ…。急に黙リコんじゃうカラ、どうシたのかト…」
「私、…分かったんだ」
「なにガ?」


 きょとんとした顔に、微笑みかける。


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