「戦いのあと、二匹はどこかへ消えて行った…」
「そう、でしたね…」
「それで爆弾テロってことになったのか…」
「ヒカリのやつ、コロモンのこと知ってるわけだよ。あの時会ってたんだ」
「会ってたの?」


 パタモンの質問に、コロモンは首を横に振った。


「きっと別のコロモンだよ。…でもね」


 コロモンは、少しだけ照れくさそうに小さく笑った。「太一にはじめて会った時、とっても懐かしい気がしたんだ」と。
 それはようやくと言っても良かったのかもしれない。遠くの方から、ウーウーというパトカーやら消防車やらのサイレンが聞こえてくる。


「捕まると色々聞かれるぞ!」
「すぐには帰してくれないですよね」


 彼らの瞳に赤い車が映った。「逃げるんだ!」その瞬間、慌てて走り出し、人気の少ない場所へと逃げ込んだ。


「…前々から、不思議に思っていたんです。キャンプにあれだけの子供が来てたのに、どうして僕たちだけが選ばれたんだろうって」


 全力で走り込んだものだから息も絶え絶えだったが、呟く光子郎の言葉に耳を傾ける。
 そのことについては一度、ゲンナイに質問をしたことがあった。しかし彼は選んだものは知らないというし、今までは共通点だって見つけられなかった。


「でも、今日謎を解く手がかりがやっと掴めました」
「四年前の、事件…」
「はい。…これは僕の推測なんですが」


 そこで光子郎は言葉を区切り、視線を先ほどからあまり顔色のよくない栞へと向けた。もはや涙は止まっていたが、状況をあまり把握できていないようだった。


「栞さんが光が丘に住んでいたから、4年前、デジモンたちは光が丘に現れた」
「それ、って―」
「はい。栞さんは『守人』です。彼等は一様に『守人』に関与します。だから、何らかのきっかけでこちらへと来た。栞さんの、もとへと」
「わたし、の?」


 怖々と首を傾げ、自分を見つめる灰色の瞳に、光子郎は小さく頷いた。


「そして僕たちは4年前にデジモンに出会った。だから、―選ばれたのだとしたら」
「それじゃあひょっとして八人目も!」


 栞が住んでいた光が丘に現れたデジモン。栞は守人であるから、それが何らかの関わりを示しているのだと考えてもおかしくはない。そして選ばれし子供たちの全員は、4年前の目撃者であるから、同じように八人目も事件にかかわっている。


「間違いなく、あの事件の目撃者です!」
「だったら、もうヴァンデモンが見つけちゃったんじゃないのか?事件を見てたのなら、光が丘の子だろ?」
「それはちゃいまんな。マンモンがあんな所を一匹でうろうろしとったっちゅーことは、他の連中は八人目を探してあちこち行ったっちゅーことですわ」


 モチモンの言葉を聞きながら、太一は鋭い眼光で光が丘を見つめ、想いを馳せる。


「見つけるんだ。アイツ等より早く」


 知らずうちに握りしめた拳は、誓いの心。


「八人目の選ばれし子供を――俺達の仲間を!」


 強く、強く。
 握りしめた拳から溢れる勇気を、傍において。


17/07/27 訂正
11/09/04

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