スキンシップはお嫌いですか
*千代ちゃん視点
それは、ある日のことでした。
いつも通り堀先輩が鹿島くんをバイオレンスにお迎えに来た少し後、
慌てた様子の堀先輩が戻って来ました。
「野崎!名字見てないか?」
「名字先輩ならあそこのベンチで寝てますよ」
「あ!あいつまたあんなとこで…!」
艶のあるストレートな髪は陽があたり少し明るく見える。
すらりと伸びた長い脚にはジャージがかけてあった。
堀先輩は 名字ー!!起きろー!!と窓から叫んで階段をダッシュで降りて行きました。
「野崎くん、名字先輩って?」
「俺の中学の時の先輩でな 演劇部で小道具や衣装を作っているらしい」
「へぇ 何度か演劇部見に行ってるけど会ったことないなぁ」
「それより佐倉、俺たちも行くぞ」
「えっ なんで」
「ネタの匂いがする」
突然こちらを向いた野崎くんは目をキラキラとさせていた。
野崎くんにつづきダッシュで階段を降りて
植え込みの陰から堀先輩達を覗くと
少し前に降りて行った堀先輩が名字先輩を起こしていた。
「お前、いつから寝てたんだよ」
「あ、堀ちゃん…?ホームルームバックれて寝てた」
目をこすりながら体を起こす名字先輩はまだ眠そうだ
眠い…と呟く名字先輩に
「てかこれ俺のジャージじゃねえか
体育の後から見当たらないと思ってたら名前かよ」と溜息をひとつ。
「ほれ行くぞ 今日はお前いないと進まねんだよ」
立て と腕を引っ張る堀先輩
まだはっきり目が開いていない名字先輩は うん… と呟くと
「堀ちゃん、眠い 連れてって」
そう言ってだるそうに手を伸ばす
ったく しゃあねぇな と呆れ顔で言った堀先輩は
軽々と名字先輩を持ち上げた
「ジャージそのままかけとけよ」
「なななななにあれ 野崎くん!お姫様抱っこしてるよ!!」
「写真撮ってもいいかな」
そう言いながら野崎くんは真顔で右手にカメラを構えている
「堀先輩彼女いたんだ…」
「いや、彼女いないってこの間言ってたぞ」
「えええ!あれで付き合ってないの!?
鹿島くんのお迎えと全然違うのに!!」
まさに驚愕である。
というか 付き合ってない2人があれなら
私は野崎くんと一生付き合える気がしない!
「来世!?来世なの!?」
「ど、どうした佐倉!」
野崎くんが慌てている間に堀先輩は部室に向かって歩いて行く。
「堀ちゃん、太ももくすぐったい」
「……わりぃ」
この言葉を聞いた私の頭は
ボンッと音を立てた。
もうキャパオーバーです。
野崎の前と2人の時で呼び方が違うのはわざとです。
お姫様抱っこしてさりげなく脚触ってたらいいな