醜さの底に閉じ込めようか
「おはよう国見」
中学の頃と変わらず気怠そうな国見を見つけ話しかける。
「国見もバレー部行くの?」
今日から体験できるんだよね?と聞くと
ん、 と小さく頷いた。
「名前はどうなの
彼氏とは別れられた?」
青城バレー部のマネをしたいと前から伝えていた国見には彼氏のことも話してあった。
「なかなか真面目に取り合ってくれなくてさ、
まだ別れられてない」と苦笑いしながら昨日のやり取りを思い出す。
別れたいと言う私に
「何その悪い冗談、笑えない」と
全く取り合ってくれなかったのだ。
でもマネは絶対やるからね!
今日からバレー部行くつもりだし!と意気込む私に
なんかあったら言いなよ とポンと頭に手を乗せた国見は、また一つ小さな欠伸をするとすぐに前を向いてしまった。
私も気持ちを切り替えなければ。
せっかく今日から体験できるんだ、
他人になる人のことなんか考えている時間はない。