逃げ出す先の泥溜り

『待って国見』

教室を出てすぐ、体育館に向かうであろう
国見の後ろ姿を見つけた。

ちらっと後ろを確認して足を止めてくれる。

『体育館行くんでしょ?私も行く』
ん と相変わらず気怠そうに返事をする国見は
少し歩くスピードを落としてくれた気がする。

今日から体験ということもあり
廊下にはまだ部活を決めていない生徒たちがたくさんいる。
それを勧誘しにきたのであろう先輩たちも。

"えー!及川先輩いるんですか〜?"
"行きた〜い"と後の方できゃあきゃあという黄色い声が聞こえる
バレー部も勧誘に来ているのだろうか

『あの軍団も来るのかな…』

ボソッと呟いた嫌味にも聞こえる言葉を
フッと鼻で笑った国見は
「軍団…ね、大丈夫だと思うよ」と
手の甲を口に当てて ククッと小さく笑った。




「あれ、」
『ん、なに?』

国見が足を止めて体育館の方を指さす。
少しざわついている入り口。

中学生の時から目立っていた及川先輩と
常に一緒にいた岩泉先輩
そして、

『なんでいるの…』

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