その人は、初めてできた彼氏だった。
その人は、地味でお世辞にも可愛いとは言えない私のことを可愛いと言って好きだと言ってくれた。
私もその人のことが好きで好きで、たまらなく好きで、もうその人がいれば何も要らないそれだけでいいとさえ思っていた。
それなのに。
「他に好きな子ができたから、別れてほしい」
ただひたすら絶望した。
もう死んでしまいたい。そう思いながら毎日毎日部屋に篭っては泣き続けた。
そうしてしばらく経って学校へ行くと、わけのわからない噂が流れていた。
「あの子援助交際してたんだって」
「え?あの顔で?(笑)」
「付き合ってた人かわいそー」
「おじさん相手とか私なら無理だわ」
私の方がもう無理だと思った。
「お前はなんてことをしたんだ」
「どうしてこんなことに…」
私の方がどうしてこんなことにと思った。
私はただ彼のことが好きで好きでたまらなかっただけなのに。
こんなことになってしまうなら付き合わなければよかった。好きと言われて、可愛いと言われて、喜ばなければよかった。
あの時、死んでしまっていたらよかった。
私の心は黒く荒んでいった。