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今日は珍しく昼から夕方のバイトだった。普段大学のテスト期間などはシフトを入れてもらわないようになど融通を利かせてもらっているから、突然のシフトの変更などはある程度断らないようにしている。
シフトを終えて事務所に行くと先ほどまで一緒に仕事をしていた一つ年下の大学の後輩がいた。おじいちゃん店長に「女の子は危ないから送ってってねー。」といわれ一緒に帰ることになった。バイト先の先輩や後輩、年が近い人たちで集まって遊んだりなどはたまにある。こういうことだって珍しくない。まあ、彼女でもいたら少しはこういう機会は減らすのかな?
一緒に並んで歩いていると「お腹空きましたねー。」なんて右側から声がした。
「だな。どうする?どっか寄る?」
「あ、あそこ入りましょ。お持ち帰りお持ち帰り。」
彼女がそう言って指さしたのは某ハンバーガー店。ああ、たまにはいいかもしれない。俺も頷いてお店に向かった。
「いらっしゃいませ。お持ち帰りで、あ。」
久々のハンバーガーに少し心躍らせていた俺はメニューに夢中だった。店員さんが「あ。」なんて言うから俺も初めて店員さんの顔を見た。「あ。」JKちゃんだ。すかさず名札を盗み見る。ローマ字で苗字だけ書かれてある。「みょうじ」かあ。よし、今度コンビニに来てくれたときは「みょうじちゃん」って呼んでみよう。え?きもい?いやいや、俺のレジに並ぶ前にわざわざ前髪を直して来てくれる子よ?名前を呼んだら喜んでくれるはず。そして俺も呼べて嬉しい。win-winってやつですよ。
必死ににやけそうになるのを抑えながら後輩ちゃんに話しかけた。そこまで仲良くないのに「なに食べる?」なんて優しい声が出た。みょうじちゃんのせいだ。ここで働いてたんだなー。また来よう。伊野尾とか伊野尾とか誘って来よう。あいつなら嫌々言いながら来てくれるはず。
でもそれから数日、俺がシフトに入ってもコンビニにみょうじちゃんが現れることはなかった。