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テストの結果は沖田さんのおかげか全科目が平均よりも上回る点数だった。特に沖田さんにはってもらったヤマが当たり日本史はうっかりクラス1位を獲ってしまった。
そんなこんなで夏休みに突入した。
沖田さんは毎日部活ばっかりらしい。
別れたって噂になったら困るからたまには顔だせ、という命令のもと、私は週に1度は部活帰りの沖田さんを学校まで迎えに通った。
「夕方になっても暑いですね」
セミが鳴く。
沖田さんは暑いと不機嫌である。
「暑すぎまさ。オレぁもうダメだ。おんぶしてくだせェ」
剣道場から出てくるなりどさっと私の頭に沖田さんは自分の頭をのせてきた。
「ちょっ、沖田さん…」
不機嫌な沖田さんは私にいつも嫌がらせをしてくる。
「重いんですけど…あと近いんですけど…」
「だめかィ?」
「だめです」
覆い被さった沖田さんを一生懸命払い除けるとむーっとした顔をされ頬をつねられる。
沖田さんは私の頬をつねるのが結構マイブームのようだ。
「痛た‥」
「名前のほっぺは本当にやわらけぇ。お前の脳ミソがいかにやわらかいのかを表してまさ」
「ハイハイ。帰りますよ」
沖田さんの毒吐きを軽く流すのも最近やっと慣れてきた。あんまり反応するとこの人は調子にのる。
「おい、お前ら暑っちぃ中イチャイチャしてんじゃねぇよ」
「土方さん羨ましいからって文句つけるのやめて下せぇ」
「いいな総悟は。名前ちゃんみたいな可愛い彼女がいて」
近藤さんと土方さんが剣道場から出てきた。二人とも汗をぬぐいつつも沖田さんとは違いちゃんと制服を着ている。
沖田さんはシャツのボタンを開け、中のTシャツがだらしなく見えていた。髪もボサボサである。しかしそれでも格好いいのは確かであった。
「夏休み中もわざわざ待ってるなんて本当に二人はラブラブだな」
「まぁ名前はオレにゾッコンなんで」
沖田さんはニコニコ笑いながら、私に話を合わせろと目線を送った。
「……そういうことになってるみたいです」
「じゃあやっぱり今日二人はお祭り行くのか?」
「お祭り?」
「花火大会だよ。知らねぇのか?」
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