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ドライブの後に連れていかれた先は高杉君の家だった。真っ白なマンションが何となく彼の雰囲気に合う。


「ここが不良の棲みか……」
「なんだよ不良って」
「高杉君のことだよ」


睨んでくる高杉君にニコリと笑った。もう高杉君への恐怖心は完全になくなっていた。


「不良の棲みかにのこのこ上がっていいのかよ」
「高杉君は不良だけど悪い人じゃないから」


最初にそう言っておけばきっと悪いことはしてこないだろう。
高杉君はチッと舌打ちをしたが、部屋へと上げてくれた。


入ると夕陽が殺風景な部屋を照らしていた。



「1人で住んでるんだね」
「家族は目と一緒になくした」


ボソッと呟き高杉君は眼帯をとった。


「また見てもいい?」
「……変なやつ」


オレンジ色に染まる中、高杉君のつぶれた目を見る。

ベッドに腰かける高杉君の前に立ち、彼の目に触れる。不謹慎かもしれないが、やはり高杉君の傷は何だか神秘的で、私にはとてもキレイに見えた。


「やっぱりキレイだ…っわ…」


言葉の途中で腕を引かれてオレンジ色の中、昨日と全く同じシチュエーションで唇を重ねられた。



「……なぁ」
「は、はい」
「オレの女になるか?」
「……ん」



恥ずかしくなり目を閉じる。
またキスをする。



腰に腕を回され身体を引き寄せられた。
高杉君の膝の上に抱っこをされ、そのまま抱きしめられる。服が掠れる音とベッドが軋む音が同時に鳴った。



「おめぇあったかい」
「そ、そうかな」
「心臓めっちゃ鳴ってんな」


ぎゅう、と高杉君は私を抱きしめる力を強めた。
高杉君は不良だけど、きっと寂しがりやだ。


「なに笑ってんだよ」
「……別に、……んっ」
「ムカつく」


うっかり可愛いと思ってしまい笑っていたようだ。

高杉君は私の後頭部を掴んでさっきより深いキスをしてきた。


「ん、あ、ちょ…」


お腹にヒヤリと冷たさを感じる。高杉君の手だ。
制服の下から彼の冷たい手がするりと私の肌へと触れる。


「まっ、待って待って!」
「おめぇバイクの時といい待ってばっかだな」
「ひゃっ…ま、待ってってば」



慌てて高杉君の腕を掴むが細いくせに全然びくともしない。



高杉君は「待たねぇ」と楽しそうにオレンジ色の笑顔を浮かべた。






5min make orangedays



おわり


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