過去拍手文ー銀八先生ー




うそつき
-銀八先生-





沖田に彼女が出来たらしい。


沖田というのはオレのクラスの生徒の1人。
銀魂高校の王子というあだ名がついている。
その名の通り勿論モテる。

今までオレはモテる男をやっかんで生きてきたが、アイツに関してはちっとも羨ましくない。

王子という勝手な理想像を押し付けられ、女子に追い回されている光景を見ると、むしろ同情さえ芽生える。

と、いう訳で沖田の性格がもの凄く複雑にねじれ曲がっているのも仕方のないことだと思ってた。




そんな沖田に彼女が出来たらしい。

女に関して潔癖なアイツが一体どんな女を選んだんだと思っていたら、ちょうど放課後一緒に手を繋いで帰る姿を見かけた。

王子の寵愛を受ける噂のお姫様は絶世の美少女という訳でもない、ごくごく普通の女子生徒。

なんであの子を選んだのかな〜と一瞬思ったが、沖田の嬉しそうな表情を見てすぐ分かった。


(ふぅん、あんな顔も出来るんじゃん)


次の日沖田に声をかけた。

「お前の彼女、いい女じゃねぇか」


沖田は少し驚いた顔をしたが、すぐ誇らしげにニヤリと笑う。

「当然でさァ」


銀魂高校には王子がいるらしい。
オレにとっては皆と同じ、普通に恋をするただの可愛い生徒だった。


おわり






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