ハイ、スタート

着替えた後バスで指定されたAの演習会場に着いた飛鳥。そこは模擬市街地になっていてかなり本格的だ。

自信満々な人も入れば緊張している人、準備運動をしている人も居た。


「………ふぅー……」


そんな中、飛鳥は息を吐き目を閉じた。


「……絶対、合格する…………。」








「ハイ、スタート!」

「よし………!!」


プレゼント・マイクの声に閉じていた目を開いて走り出す飛鳥。

しかし、試験開始の合図とは思えない声に周りはきょとんとしていた。


「どうしたあ!?実戦じゃカウントなんざねえんだよ!!走れ走れぇ!!賽は投げられてんぞ!!?」


プレゼント・マイクのその言葉に他の皆一斉に走り出した。確かに実際の現場では合図なんてない。

いち早く行動が出来たのは飛鳥と……


「おらあぁっ!!!!」


この爆豪勝己だけだ。

緑谷の幼なじみでもある爆豪は手のひらで爆発を起こし仮想敵を倒していた。その破壊力はかなりすごいものだった。


「うっわー……!すご…!!爆発って……!!」


響く爆発音に耳を抑えながら飛鳥は驚いていた。そんな飛鳥の目の前に二体の仮想敵が現れる。


「ああゆうの見ちゃうとさあ……」

『標的補足!!』

「私もやるぞー!ってやる気出ちゃうよね!!!!」


仮想敵に手から水を出し攻撃して破壊させた。

飛鳥、それに大和の個性は「四大元素」

火、水、風、土を操ることが出来き手から噴出できる個性。二つの元素を合わて使えたり応用次第で様々な攻撃が可能だ。


「よし、どんどん行くぞー!」


飛鳥は気合いを入れ風を操り飛んで移動した。








「…42Pっと…!」


次々に仮装敵を倒す受験生たち。普段はこんなにぶっ通しで思い切り個性を使わないからか、緊張しているのもあるせいか他の受験生は疲れが出始めていた。


「はぁ…はぁ……」

「危ない!!」


息を切らし立っていた女の子の後ろに合われた仮想敵。飛鳥は慌てて風で仮想敵を吹き飛ばした。


「大丈夫…!?」

「…うん…あ、ありがとう…」

「どういたしまして!怪我がなくて良かったよ!試験、頑張ろう!」


女の子に笑いかけ、飛鳥はまた風で移動する。段々と数が少なくなる仮想敵。

そして、ついに”アレ”が現れた。


「で、でか……」

「あれが…ギミック……」


他の仮想敵とは比べ物にならない程のデカさ。

所狭しと大暴れしている言わばおじゃま虫。



───ギミック。


突然現れた、圧倒的脅威のそれに飛鳥は息を呑んだ。


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