合格

───入試試験から一週間後


「ただいま」

「おかえりなさい。お母さん」

「ご飯、私と大和で作ったんだよー!」

「ありがとう。楽しみだわ」


外出していた母親の帰宅に駆け寄る飛鳥と大和。
母親の手には二通の手紙があるのに気づく。


「誰宛の手紙?」

「ふふ、二人のよ」

「えっ!?まさか…」

「雄英から…!」


驚く二人に手紙を渡す母親。飛鳥と大和は手紙を受け取りそれぞれの部屋へ。


「わ、わ…本当に雄英からだ……」


ドキドキしながら飛鳥はベッドの上に座り手紙を開けた。中には円形型の機械が入っていた。
不思議そうに手に持つ。すると機械が光り出し空中に映像が再生された。


『私が投影された!!!!』

「わあっ!?オールマイト!!?」


聞き覚えのある声……あのNo.1ヒーローであり雄英高校出身のオールマイトだ。
飛鳥はびっくりして機械を思わず手から落としてしまった。


『驚いたかい?実は今年から雄英に務めることになったんだ!』

「オールマイトが雄英に!?嘘…」

『では私から合否発表だ!!』


その言葉にぐっと手に力が入る。


『司代飛鳥くん!筆記試験は苦手な教科があるようだが中々良い結果だ!!そして、実技試験!!!仮想敵ヴィランを倒した合計は45Pだ!そして…!!』

「そして…?」

『救助活動ポイント!!しかも審査制!我々 雄英が見ていたもう1つの基礎能力さ!君は瓦礫から受験者を守り巨大なギミックにも恐れず受験生を救いギミックを倒した!!


君の救助活動ポイントはP30点!!合計で75点!文句なしの合格さ!!!』

「!!!」


「合格」という言葉を聞いた瞬間、飛鳥は目にいっぱい溜めていた涙を流した。
ずっと憧れていた人達と同じ場所で夢を追いかけられる。嬉しくてたまらなかった。


『君の個性は中々に珍しいものだ。その個性で色んな応用が出来るだろう。雄英で学び成長し良いヒーローを目指してくれ!そう…雄英が君のヒーローアカデミアさ!!』


と、そこで映像が止まった。そして扉のノックされる。涙を拭い「いいよ」と言う。
扉を開け部屋に入ってきたのは大和だった。


「その様子じゃあ結果、聞いたな」

「…っうん」

「………俺も合格ってさ」

「*っやった!!」


大和は優しく笑いそう言った。飛鳥は止まりかけていた涙を流して大和に抱きついた。
突然の行動に大和はバランスを崩しそのまま一緒に倒れた。


「ってー………おま…いきなり抱きつくなよ」

「大和!!やった!やったよ!おめでとう!!」

「飛鳥もおめでとう」

「すごい音が聞こえたと思ったら…もう飛鳥ったら」

「お母さん!!」


部屋の扉の前に立つ母親を見て起き上がり今度は母親に抱きつく飛鳥。母親は優しく飛鳥の頭を撫でた。そして起き上がりその様子を見ていた大和に手招きをする。


「飛鳥、大和……おめでとう」

「お母さん、ありがとう!」

「ありがとう…」


大和の頭も撫でそう言った母親に満面の笑みを浮かべる飛鳥と照れくさそうに笑う大和。
すると玄関の扉が開く音と父親の「ただいま」と言う声。それを聞いてパッと飛鳥は顔を上げた。


「お父さんだ…!……お父さーん!!おかえりなさい!!」

「って、お、おい!」


母親から離れ大和の手を引き部屋を出た。
その後すぐに聞こえた父親の嬉しそうな声に母親はまた微笑んだ。


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