「お、おーさま」
僅かに上擦った声で名前を呼ばれ、顔を上げたと同時に、ルーラがぎゅ、とギルガメッシュに抱きついた。滅多にないルーラのその行動に、ギルガメッシュは思わず眉間に皺を寄せる。
「ハ、ハグでストレス減るらしい、から……その、おーさまのストレス減らそ思て……」
無言でいるのを怒っていると勘違いしたのか、弁解する声が徐々にか細くなっていく。ごめん、と言って離れようとするルーラの腰を捕まえると、ルーラの細い体を抱き寄せた。
「お、おーさま、」
「なんだ、我を癒すと言ったのは貴様ではないか」
ルーラが途端にわたわたと騒ぎ出す。耳を赤くしながら腕から抜け出そうとするのを止めるように強く抱き締めれば、逃げるのを諦めたのか、次第に大人しくなっていく。
(愛いな)
大方、誰から聞いたのだろうが、こうして理由をつけてはギルガメッシュに甘えてくるルーラを愛いと思ってしまうのは、きっと。自分がどうしようもなくこの娘に惚れているからなのだろう。
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