ふ、と目を覚まして隣を見れば、先に起きたのかギルガメッシュの姿は無い。それにため息をついて起き上がれば、床に脱ぎ捨てられたギルガメッシュのシャツが目に入った。
昨日、行為に及ぶ際に乱雑に下に脱ぎ捨てたのだろう。行為の最中は自分はほとんど余裕が無いため覚えてないが、途中までギルガメッシュはシャツを着ていたような気がする。
そこまで考えて、意識を現実にへと戻す。シャツを数秒眺め、ほんの少しの好奇心から恐る恐る脱ぎ捨てられているシャツを手に取ると、ルーラはゆっくりと袖に腕を通した。

「やっぱちょっとおっきいなあ」

予想通りと言うべきか、ギルガメッシュが着れば7分袖になるシャツは自分が着たら長袖どころかやや袖が余ってしまう。丈は背の高さ故かお尻が隠れるかどうかというかなり際どい長さになっている。自分の体を見下ろして一瞥すると、ルーラは袖口を鼻に近づけた。

(おーさまの匂いがする……)

すう、と息を吸う。ギルガメッシュが好きな香と、ギルガメッシュ本人の匂いが混じった匂い。昨日の情事を思い出させるそれは、ルーラにとってギルガメッシュに愛されたという記憶を呼び覚ます。それにほんの少し顔を綻ばせて、ルーラはギルガメッシュの名前を小さく口にした。

「おーさま……」
「なんだ」

途端、聞こえてきた声に勢いよく顔をあげれば、笑いながらこちらを眺めているギルガメッシュの姿に、ルーラは目を見開く。

「おーさま!?いつから見とったんっ!?」
「貴様が我のシャツを手に取った辺りからだな」
「は?ほとんど最初っからやん!」
「珍しくなかなか愛いことをしておる故。邪魔をするのも悪かろうと思ってな」

そう言って笑いながら近づいてくるギルガメッシュから距離を取るように後ずさるが、そもそもベッドの上だ。ジリジリと後ろに下がるものの、直ぐに壁に当たり、ギルガメッシュに捕らわれる。

「彼シャツというのだったか……確かにこれは男の欲を煽る」

壁際に追いやられたまま、首筋を撫でられ、シャツの胸元に指が引っ掛けられる。裸のまま着たため、身を包むものはギルガメッシュのシャツ1枚しかない。何とかして目の前の体を退けようと体を押すが、抵抗虚しく、呆気なくギルガメッシュに両腕をまとめられた。

「お、おーさま朝から盛らんといて」
「煽った貴様が言うことかそれは」
「ひっ、」

首筋をぺろり、と舐められそのままちゅう、と強く吸い付かれる。何度も繰り返され、しまいには甘噛みされ、素直な体はその度にぴくぴくと反応してしまう。

「ルーラ」

ギルガメッシュの口が耳元に寄せられる。吐息混じりの低く、甘い声は情事の際に聞かされる声で。ただそれだけで思考がとろり、と溶けていく。

「お、さま」
「貴様は、我にどうして欲しい」

そんな風に聞かれてしまえば、もう抗うことなど出来ないのだ。


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