きっかけは些細なことだった。クーフーリンやロビンたちと世間話をして、ほんの少しルーラが相手の体に触れただけだ。たったそれだけで、あ、と思う暇も無くギルガメッシュによって無理やり腕を引かれ、そのまま部屋にへと連れ込まれた。
「っ、おーさま、」
乱雑にベッドに投げ出され、けほ、っと僅かに咳き込む。ゆるり、と顔を上げれば、ギルガメッシュがベッドに乗り上げたところで、2人分の体重を受け止めた上質なベッドが僅かに弾んだ。
「赤か黒……貴様の髪紐に合わせるのであれば青も悪くないな」
「な、なにが…」
「貴様に着ける首輪の色だ。まだ自分が誰のものか分かっておらぬようだからな」
するするとギルガメッシュの手がルーラの首を撫で回す。首のここに着けるのだ、と言わんばかりに指を動かされ、ルーラの体がびくり、と跳ねた。
「貴様は何色が好みだ?どうせ貴様が着けるのだからな。望み通りの色にしてやろう」
「い、いらん、うち、着けへん、」
ギルガメッシュが楽しそうに笑いながらつぅ、と指で首を辿った。するすると踊るように指が動き、その度にびくびくと体が反応する。己が着ける首輪の色なんて、選べるはずもない。ふるふると弱々しく首を振れば、ギルガメッシュが笑みを濃くする。
「安心しろ。どのような色であっても貴様に似合のものを見繕ってやる」
ひくり、と顔が引き攣る。ギルガメッシュから逃げるように体を捩れば、掴まれた腕がみしり、と嫌な音を立てて軋んだ。
そのままギルガメッシュの大きな手のひらによって首を覆われる。力を込めてしまえば簡単に絞めてしまえそうな、そんな体勢にルーラの体が無意識のうちに強ばる。
「二度と、我から逃げようと思わんようにしてやろうな」
「、お、さま、」
ギルガメッシュが楽しげに唇を歪め、ルーラの耳元に口を寄せた。どろどろに煮詰めた砂糖のような、ひどく甘ったるい声。
その甘い声に、ルーラの思考はぽとり、と落ちていった。
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