完璧な甘いピロートーク、とは言わない
目が覚め視界に飛び込んできたのは鍛えられた胸板。ぎゅっと背中に腕も回されていて少しでも動くと起こしてしまいそうで、私はゆっくりと顔を上げる。
こんなに可愛い顔して体力は底なし。昨日初めて身体を繋げたというのに、もう10代でもないのにあの後3回もゴムを替えて激しい夜を過ごした代償が腰に全て来ていた。でもこの顔を見ると何だかどうでもよくなってしまった。
「は〜……しあわせ、ってかんじ。」
「…ん、」
「…………」
「…はよ」
「おはよう。」
飛雄は腕を引きまだ裸のままなのにぎゅっと抱き寄せた。意外にも甘いピロートークが好きなのかもしれない。でも私はもはやあまり力を入れる余裕もないからされるがままでいる。
「起きたくねえな。」
「…お風呂入りたいな、わたし。」
「……一緒に入る?」
「やだ。」
「…………」
「ふふ、そんな顔しないでよ。」
「っだって!」
「でもね、昨日飛雄が何回もしたから私多分立てないの。…入れてくれる?」
そういえば飛雄は顔を赤くした。そして下半部に固いそれを感じる。昨日あれだけしたのに、さすがに元気すぎて引くよ影山飛雄…。
「ね、わたしするのはもう無理だよ、」
「……わかってる、」
「…どうするの、これ。」
「……風呂、いくぞ。」
結局その後お風呂に2人で入り、セックスは免れたものの彼は私の太ももで擦って達していた。ふは〜と変な声を出しながら浴槽につかる。影山さんに寄りかかると後ろから軽く腕を回し抱きしめた。
「しあわせ、だなあ。」
「…ああ。」
「ふふ、もう指も動かせないや。」
「……俺が全部やる。」
「いつもと逆だね。」
「そうだな、は〜腹減ったな…」
「あんみつ食べなきゃ。」
「あ、そうだった。あと昨日食べた炊き込みご飯ってもう一回食えねえのかな…。」
「女将に聞いてみよっか。」
「おう。あーあちー、もう出ないか?」
「ん、っい、た〜、」
「あ、おい!自分で立つなって!俺が連れてくから!」
ばしゃばしゃとお風呂の中で暴れている私たちは朝から案外騒がしくて元気だった。
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