「みのり〜!こっちこっち!」
「えっちゃん!お疲れ〜!遅れてごめんね。」
「ううん、仕事お疲れさま!生でいい?」
「あ、えっとウーロン茶で…。」
「え、飲まないの?」
「…ちょっとお酒で失敗しちゃって。」
「同窓会の日のこと言ってる?」
「ねえ、えっちゃん。私同窓会で何しちゃったの?」
影山くんからの連絡を無視して5日がたった。昨日までは毎日のように連絡が入っていた。怖くて既読にもしていないけど。
とにかくあの日に何があったのか知りたくて、先週会ったばかりのえっちゃんを呼んで先週と同じ居酒屋で待ち合わせをした。
「まああれは周りがいけないよね〜。」
「…どういうこと?」
「私たち、ちまちま飲んでたじゃん?それ見た鈴木たちがもっと飲め飲め言ってきて、まあ私はこう見えてお酒強いから大丈夫だったんだけど、多分あれはウォッカ結構入ってたね。みのり2杯くらい飲まされてバタンキューだったわけ。」
「…なるほど。」
「それで何故か影山くんがこっちに来て、みのりのこと介抱してて、周りがウエーイってなっちゃって。もう若くないのにね。」
「あの、私はそのとき、」
「みのりは特に変なことしてなかったよ。ただ、その後どうなったかは知らないけど、影山くんとどうなったの?」
「……えっちゃん、どうしよう…。私、怖くて影山くんにもう会えない。」
えっちゃんに聞けば私の失態が聞けると思ったけど、同窓会ではどうやら特に大きな仕出かしはしていなかった。となると、影山くんと2人きりになったときに何かしてしまったに違いない。もう私は影山くんに顔向けできない。
でもあの日のことを誰かに言うことはもちろんえっちゃんにもできないし、私はウーロン茶をがぶ飲みして頭を抱えた。心配するえっちゃんの声も耳に入ってこないし、24歳にして泣きたい気分だった。
「何があったか言えないなら聞かないけど、今日影山くん呼んじゃったけど平気?」
「…え、「吉野さん。」
「あ、影山くんお疲れ〜。今日練習じゃなかったの?」
「今オフシーズンなんで。…辻川、お前」
「えっちゃんごめん。わたし用事あるから帰るね、お2人で楽しんで!」
「あ、おい!」
私は逃げるようにお店を出て、少し離れたところでちょうどよくタクシーが来たので乗り込もうとした。今影山くんに会ったら、ダメだ。
「浅草駅まで、「待て。」
「っか、げやまくんっ」
「すみません、シティタワー九段下まで。」
「え、お客さん知り合い?」
「…はい。」
「じゃあ九段下の方行きますね。」
影山くんは私のことを離すもんかと腕を掴んだ。少し痛くて、また影山くんが怖くて泣きたくなった。私は一体どうなってしまうんだろう。